2020年8月14日金曜日

ふれ昆

 先日、I県にあるふれあい昆虫館にお邪魔してきました。こんなご時世なので公共交通機関は使わず。

大変素敵なヘンタイ性が高い昆虫館でしたので、今回は水昆関連に絞ってお届けします。

昆虫館なので、それはそれは標本がいっぱいあるわけです。世界のカッチョイイ、綺麗なカブクワやチョウなどいかにも人気がありそうな虫の標本がずらっと並んでいる部屋の柱付近に素敵な展示がいきなり登場します。


ニセコウベツブゲンゴロウ Laccophilus yoshitomii

おほおおおおおおニセコウベツブ泳いでるのおおおおお!!

可愛さしかねえ!!最高だあ!!

ニセコウベ君は2018年に新種記載されました。


隣にはこんな箱も。
ちなみに記載論文も立てかけてありました。

ニセコウベでは終わりません。


チュウガタマルケシ解説BOX

こ、これも非常にコアですよ…。チュウガタマルケシは2017年に新種記載されています。来館者にマルケシゲンゴロウ属のサイズ感や特徴を伝えるような展示はここだけではないでしょうか。実際に皆さんも見て確かめろ!!ニセコウベとチュウガタマルケシの展示をニヤニヤしながら見てたら周りにいた家族連れが引いてた。

生体展示もございます。


タイワンオオミズスマシ Dineutus mellyi mellyi

で、でけえええええええ
国内最大のミズスマシです。与那国島に生息します。サイズ感でいうと、シマゲンや下手すりゃクロゲンレベルです。MAX20mmぐらい。化け物か!!
沖縄本島で亜種であるオキナワオオミズスマシは見ていますが、こちらのほうが背中の隆起が強い印象です。

トゲアシアメンボ Limnometra femorata

こやつもでけええええ!
国内最大級のアメンボです。オオアメンボと並び大きい個体は体長20mm超え。そのカラーリングと名前の由来にもなっている中脚のトゲが特徴です。与那国島に生息します。

タイワンオオミズスマシとトゲアシアメンボは三月の与那国遠征で見られるハズだったのですがコロナで遠征自体が潰れたため、見られていなかったのです。

国内の水昆だけでもありません。
海外からやってきたものも

タガメモドキ

こちらはタガメモドキ。アフリカの虫です。タガメの三文字が含まれてはいますが簡単に言ってしまえば超デカいコオイムシです。コオイムシがかっこいいしタガメもかっこいいんだからカッコイイに決まってるじゃん。こやつもなんと70mmほどあります。やべえやべえ。あとコオイムシと同じで子負います。
幼虫も一緒に水槽内にいました。

お子様。めっちゃコオイムシ顔。


こんな種類も。

スジゲンゴロウ Hydaticus satoi

スジゲンだあああああああああああああああああ!!!
いやカッコよすぎる!!!!!最高すぎる!!!
このスジゲンは海外からやってきたものですが、実は過去には日本にも生息していた虫です。要は国内からは絶滅してしまった種類です。かつては普通に見られた種だったようですが…今もどこかで細々と生きていないものでしょうか。こんなにかっこいい生き物が…悲しい…

このスジゲンの水槽の近くには国内で今危機にさらされるゲンゴロウ達の展示もやっています。
マルコガタノゲンゴロウとシャープゲンゴロウモドキの混泳水槽です。
シャープのほうはなかなか出てこず、一瞬しか見られなかったので写真は撮れませんでしたが、マルコは撮れました。

マルコガタノゲンゴロウ。 Cybister lewisianus

※決して「マルコ型のゲンゴロウ」ではありません。「丸コガタノゲンゴロウ」です。

とにかくかわいい。だいたいクロゲンゴロウと同じサイズ感。このサイズ感がたまりません。なお本種(シャープゲンモもですが)は種の保存法に基づき国内希少野生動植物種に指定されているため許可なく飼育等することはできません。
オレンジ色の腹面が大変に綺麗です。
ちなみにこの水槽の横にはナミゲンとクロゲンの混泳水槽もあるけどなぜか写真を撮り損ねていました。バカなにやってんだよ!!

トリを飾るのはこのふれ昆に来た最大の理由であるこやつ!!

こんにちは!!!!!!!

オウサマゲンゴロウモドキ Dytiscus latissimus

で、でたあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!
世界最大のゲンゴロウ!!
オウサマゲンモ!!!!!
でかい!!横幅が凄い!!

こちらは♀ 上翅のスジ!!


体幅がすごい!!!

体長こそナミゲンより少し大きい程度ですが、とにかく体幅のお陰で迫力がすごい!!
原産はヨーロッパ。まさか日本に生きて来るとは思わなかったものです。本種は原産地でも減少が進んでおり、保全が急務とされている背景があったりします。現在日本ではふれあい昆虫館のほかにY県の北杜市オオムラサキセンター、F県のアクアマリンいなわしろカワセミ水族館の3館で飼育、繁殖させています。本種の飼育、繁殖の研究を行い生態が分かってくれば、グローバルな連携で知識や技術の共有がヨーロッパとも行うことが可能です。飼育という域外保全は勿論、現地での保全活動にもつなげることができます。マルコやシャープゲンモの展示もそうですが、飼育繁殖、そして展示をすることで域外保全としてだけではなく、来館者にその生き物の存在を知ってもらうことができます。啓蒙的な活動を行いより多くの人に存在と現状を知ってもらえるということはこのような施設の大変大きなメリットの一つですね。なんか文章ヘタクソで何言いたいのかよくわからなくなっちゃってる気もしますが、とにかく飼育して繁殖させて生態を研究してみんなに知ってもらって魅力を伝えるということがその種の保全に繋がるということを言いたいのです。ふれあい昆虫館はその面マルケシゲンゴロウからオウサマゲンモまで展示を通じて幅広く多くの来館者に存在と魅力を伝えている施設だなと素人なりに強く感じました。(何様のつもりでレビューをしているのか当ブログ中の人は)
(飼育、繁殖とか簡単に言ってますけど、これが大変なわけじゃないですか。誰も繁殖させたことないような種だっているなかで、見事に産卵から羽化までもっていくにはとんでもない労力と試行錯誤が必要でしょう。本当にすごいです。少なくとも僕にはできる気がしない。そしてその結果をいかに魅せるかという工夫された展示。学芸員ってすごいのです。尊敬します。)



今回は水昆ばっか紹介しましたが、勿論水昆だけではなく他の昆虫も大変充実しています。こんな記事で全てを語ることは不可能ですので、気になった方は是非足を運んで自分の目で確かめてください。


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