2018年4月29日日曜日

鳥がでねぇ

地元の探鳥会に出てました。場所は近所の大きめの公園の周辺。まあ時期も時期だし予想はしていたものの、
鳥がでねぇ。
全然でねぇ。
鳴いてるのほとんどシジュウカラ。(かわいいんだけどね)
周るコースには池も川もあるわけですが、池にはカワウがまみれています。(いやカワウもね、顔周りとかかっこええのよ、でもね、数が増えすぎなんじゃあ!カワウに怒っても仕方ないですが。)カワウとアオサギが巣を作りまっくています。
アオサギ(Ardea cinerea
なんすかこのひどい写真は。
アオちゃん(アオサギのことを僕はこう呼びます。)好きなんですけどね。色渋いし。前一度動物園のペンギン展示コーナーにしれっと混ざりこんで餌の魚をナチュラルに取ってく個体を見ました。セコい。

そして探鳥会のほうは川べりを歩いても鳥が出ねぇ。
川では尋常じゃない量のアカミミガメ君達が日光浴をしています。
ライギョが浅瀬を泳いでいます。上空をカワウが通過しています。

んでいざ公園の中入ってもその公園がここ何年かで路線をだいぶ金儲けに寄せてきているのが功を奏しているのか、
人が多いです。知らない間に園内の道がコンクリで舗装されています。僕は鳥ではなくヒト(Homo sapiens)を見に来たのかもしれません。
ぼくはどうすればいいんだ。
それでもかろうじてセンダイムシクイの鳴き声がしていただけでも喜ぶべきか。あとそうだ、河原でオオヨシキリは鳴いてたや。おかえりオオヨシキリ。今夏もよろしく。


まあこういう鳥見もあるんですよ。本格的に虫シーズン到来だなあ。
ギンイチモンジセセリ(Leptalina unicolor)は飛んでいた。
フォルムが最高にかっちょええのぉ!


2018年4月27日金曜日

かっこよすぎる幼虫をなめまわすように見てみる。

昨日こんな幼虫を発見しました。
お?

これアリジゴクじゃんと思ったそこのあなた。惜しいです。これ、ツノトンボの類(別にトンボの仲間ではありません。)の幼虫です。もうご存知だと思われますがかの有名なアリジゴクは、ウスバカゲロウの幼虫です。こいつは別にアリジゴクのようなトラップは作りません。出会った獲物を仕留めているようです。砂利っぽいようなところで捕獲できました。でも分類はウスバカゲロウと同じアミメカゲロウ目です。アミメカゲロウ目に含まれる種類達が総じてカオス
この幼虫の種類はハッキリとはわからないですが、個人的にはキバネツノトンボLibelloides ramburi)だったらいいなあと。どんな成虫なのかは羽化してのお楽しみ。そもそも羽化させられんのか?でもこれは終齢幼虫な気がするんだよねえ。(3齢で終齢らしいです。)
まあでもそんなことよりじっくりみてくださいよ。
ほっほほほほほほほほほほほ
いひひひひひひひひひっひ
うおおおおおおおおおおおおおおお!
かっこよすぎるだろ!
なんなんだよその顎のルックスはよぉ!




2018年4月24日火曜日

ハイイロゲンゴロウを語る

今日はゲンゴロウの中でも異端児のハイイロゲンゴロウ(以下ハイイロ)を語ります。
ハイイロゲンゴロウ(Eretes griseus
  • 大きさは10mm前後。大きくても15mmほど。
  • 普通種。プールとかにも普通にいたり。
  • 模様の個体差がすごい。
前にも紹介したハイイロ君。目が無茶苦茶大きくて激カワです。アイドル系ゲンゴロウ。日本ではヒメゲンゴロウと並んでみかける頻度が高いですが、ヒメゲンゴロウに比べより人工的な水場にもいる印象のド普通種。幼虫は↓みたいな感じ。上にもかいた通り個体差が大きく、各個体模様が違うのが面白いです。
赤虫を食うハイイロ幼虫。顔の模様がキュート

ただこいつら、身近な種類ですが他のゲンゴロウ達と違うことがいくつかあるイレギュラーな種類です。
まず、なぜかこいつらは水面からそのまま飛び立てます。そもそも他のゲンゴロウ達は一度陸上で甲羅干しをしてから飛び立ちます。でもハイイロはそのステップを踏まずにそのまま飛びます。なんでそんなことが出来るのかは僕にはわかりません。むしろ誰か教えてください。(ハイイロも甲羅干し自体はやります。)とにかく身軽でしょっちゅう飛ぶし、泳ぎ方も8の字かいてるみたいでわけわかりません。むしろその泳ぎ方のせいで一発でハイイロがいるのが分かります。水中で上翅を広げたりもします。あと、なんでか知りませんがこいつら鳴きます。ヴーヴーて。すくなくとも他種では鳴いているのは聞いていないんですがどうなんでしょうね。
それとゲンゴロウのオスには交尾時にメスにくっつくための吸盤が前脚についています。(ヒメゲンゴロウのはあれどうなっとるんですかね?)が、ハイイロの吸盤はやけに強いのか、水槽のガラス面にくっついたはいいものの、そのあと外れなくなって呼吸が出来ずに溺死することがあります。今後飼育する人は注意です。
この前の記事にも書いたように冬場氷の張る下を泳いでいたりするし、むしろたまにハイイロ本体ごと凍っています。
ゲンゴロウは酸素を空気中から得ているので息継ぎをしに水面にあがります。その際お尻に空気を蓄えてまた潜りますが、ハイイロはその蓄える量が尋常じゃない気がします。(本記事一枚目の写真が分かりやすいですな。)
そんなちょっと他とは違うゲンゴロウ。それがハイイロゲンゴロウ。
もうわけがわからないよ。
でもそんなハイイロが好きだよ。(きもい)

2018年4月21日土曜日

モンキマメとキベリマメ

今日は河原にいましたんで流水にいるゲンゴロウでも探してみました。
採れたのは二種類。モンキマメゲンゴロウ(以下モンキマメ)とキベリマメゲンゴロウ(以下キベリマメ)です。
そこ、名前がわかりづらいとかいわない。
そもそもゲンゴロウを採らない人は「川になんてゲンゴロウいるんかいな」と思ってるかもしれませんが、流水性のゲンゴロウなんてのがいるわけですよ。(っても河川の脇の淀みみたいなところに多いんですけどね)今回採れたのはそのうちの二種。
キベリマメゲンゴロウ
Platambus fimbriatus
地味に初採集種。さすがへっぽこゲンゴラー
  • 大きさは8mm程。
  • レッドデータカテゴリは準絶滅危惧種(NT)
  • モンキマメよりよっぽど見つけづらいらしい。
  • 河川の中流域で今回は採れた。
というかこの種類無茶苦茶奇麗じゃないですか!みとれちゃいます。あと泳ぐのが速い気がするんですが気のせいですかね? 
モンキマメゲンゴロウ(Platambus pictipennis
もっとまともな写真撮れや。
  • 大きさは8.5mm程。
  • 流水性ゲンゴロウの中では最も普通に採れる。いわゆるド普通種。
  • キベリマメとは模様の入り方が違う。
こいつはこいつで好きです。この斑紋の入り方にはかなり個体差があって、紋が多いタイプから少ないタイプまで様々です。というかたまに紋黄マメなのに無紋っぽいタイプがいたりします。やめてほしいです。しかも2011年にニセモンキマメゲンゴロウPlatambus convexus)なる種類が新種記載され、現在は北海道、青森、福島で確認されているようです。こいつはこれから記録増えそうな気がしてるんですよね。

というわけで皆さんも流水性ゲンゴロウ探してみてはいかがでしょうか?ほかにもいっぱい流水性ゲンゴロウは種類がいるし、そのニセモンキマメゲンゴロウにでくわすかもしれないですよ。最後に微妙な写真でキベリマメのお顔でも拝んでおきましょうか。
あら~

2018年4月19日木曜日

ゲンゴロウの越冬

今日の話は既にゲンゴラーならたぶん面白くないです。
ゲンゴロウってどこで越冬してるとおもいます?大型種(ナミゲンゴロウやクロゲンゴロウ等)は水中越冬であることが知られています。ハイイロゲンゴロウなんて氷が張っている下でも泳いでます。というか時々ハイイロゲンゴロウ本体ごと凍ってます。
ハイイロゲンゴロウ(Eretes griseus
おめめくりくり
ツブゲンゴロウも冬季に水中から採集した経験があります。
このように水中越冬する種類はほかにもいるんですけど、シマゲンゴロウ(以下シマゲン)やコシマゲンゴロウ(以下コシマ)等は冬場は忽然と水場から姿を消します。
ただ、このあたりの種類は飼育下で冬季に土に潜ることが確認されていました。
シマゲンゴロウ(Hydaticus bowringii
お洒落系ゲンゴロウ筆頭

コシマゲンゴロウ(Hydaticus grammicus
これまたお洒落
ですが自然下では石の下からシマゲンが採れた等の話がごく少数で少なくとも僕はその写真を発見できませんでした。(僕の調べが甘い可能性もかなりありますが。)だがしかあーーし!僕は高校生の頃課題研究なるものをやっていてそこで全然ゲンゴロウに興味もない犠牲者二名を巻き込み、コシマゲンゴロウの陸上越冬個体を探すという研究というかもはや珍道中報告みたいなことをやっていた時期があるのです!んで見つかってんのかって?見つかってるんですよそれが。
わかりますかね?
この真ん中に埋もれているようなのですよ!わかりづれぇ。
素掘りの水路脇の地面の枯れ草をどかしていたら出てきました。
でもこの発見はさっき言った犠牲者二名がいなければ間違いなくありませんでした。感謝です。(唐突な謝辞
というわけでですね、皆さんも是非冬そういうところに行くときは石をひっくり返したり、畔の表面を探してみてはいかがでしょうか。
不審者扱い待ったなしですが。
※石はひっくり返したらもとに戻しましょう。畔は絶対に壊さないようにしましょう。


2018年4月17日火曜日

素敵な昼休み

キビタキが鳴いてるなーと思い鳥見を昼飯食いながらしてました。やっぱ鳥もいいね。
今日見た鳥のリストでも備忘録的に。(学名割愛。)あと鳥のほうは今回は画像ナシ。あ、カッコの中は僕の主観的な感想です。お気になさらず。

  • キジバト(ゼゼッポーとか鳴き声かいてある図鑑もあるけどそうは聞こえなくね?)
  • コゲラ(ド普通種だけどじっくり見ちゃう不思議)
  • ハシボソガラス(リストにほぼ確実にいるお方。)
  • シジュウカラ(かわいい
  • ツバメ(すっかり春だねえ)
  • ヒヨドリ(可愛いんだけどよお、うるせえんだよお)
  • エナガ(みんなのアイドル、最強にかわいい。まじでかわいい。どうやったらあんなにかわいくなるの。今日は結構じっくり見れて幸せ。んんんんんんんんんん!エナガたん←エナガを知らない人はクリックだ!
  • メジロ(鳴き声が奇麗なのかうるさいのかわからなくなってくる。)
  • ムクドリ(飛ぶ三角定規)
  • コムクドリ(ムクカトオモッタラコムクダッタヨ。)
  • ツグミ(早く北に帰ったほうがいいんじゃないですか。あ、あなた達長居するんでしたっけ。
  • キビタキ(鳴き声のみ。ちくしょう!)
  • スズメ(結局可愛い。
  • ハクセキレイ(どうやったらそんなに脚を素早く動かせるんですか。教えてください。)
  • カワラヒワ(翼の黄色がびゅーてほー)
  • イカル(口笛吹かないでください。)
  • アオジ(地味だけどいい色してんのよ~)
17種ですか。まあ一時間ちょっとで昼飯食べながら椅子に座って待ってただけですから好成績。
ふと葉っぱを見ると、
ムシヒキアブ系の誰か。どちら様?
僕には同定不可能説浮上
生き物と過ごすお昼休み。
素敵かよぉ。

2018年4月15日日曜日

どぜう。

ドジョウ(Misgurnus anguillicaudatus
ゲンゴロウとか採集してるとどうやっても遭遇するドゼウ。身近な種類でありながらここ最近最もアツいグループなんじゃないでしょうか。僕も現在勉強中です。すんげえ量の種類がいるんですねぇ。シマドジョウ系わけわかんねぇ。北方系種としてドジョウと似ているキタドジョウMisgurnus sp.〈clade A〉)なる種がいたことが発覚し、ドジョウファン必携の神図鑑 中島 淳・内山りゅう(2017)「日本のドジョウ 形態・生態・文化と図鑑によると、これがまた関東圏にもいるらしいんです。ということはですよ、いままで普通のドジョウだろとさらっとスルーしていたドジョウがもしかしたらキタドジョウだったかもしれない訳ですよ!
うおおおおおおおおおお燃えてきた 

ドジョウも最近は数を数を減らしています。ゲンゴロウ等と同じような理由で。カラドジョウMisgurnus dabryanus)なる外来ドジョウの定着も各地で確認されています。水生昆虫と一緒にドジョウが採れるような環境残してかなきゃね。というかドジョウが見られなくなったら日本は終わりでしょう。


激カワ。


2018年4月13日金曜日

擬態の神

今日こんな虫の亡骸が落っこちてました。


ん?これはスズメバチの仲間?
でもなんか違う。色あせてるのもあるだろうけど黒っぽい部分おおいし、何より足太くねぇ?んでデカい。20mm超えてます。どうやらこれ、ナシアシブトハバチPaleocimbex carinulata)という種類らしい。確かによーく見ると細部が若干違いますね。サクラとかナシとかに産卵する模様。僕はハチは有名どころしかわからないのでこんな種類がいるなんて知りませんでした。ここでお顔を拝見。
お顔
これスズメバチの顔やんけ。
これほんとにハバチですか
いやーすごい生き物がいるもんですね。普通に最初スズメバチ系だと思ってました。面白い!いままで見てきたなかでもトップクラスの擬態でしたねこりゃ。

2018年4月12日木曜日

クロゲンゴロウのことを語らせろ(語ればいいじゃん)

皆さんはクロゲンゴロウ(以下クロゲン)はご存知でしょうか。まあ少なくとも業界の同志なら知らない人はいないでしょう。そんなクロゲンのことを熱く語る回。

クロゲンゴロウ(Cybister brevis
もっとまともな写真なかったのかよ
  • 体長20~25mm
  • 本州、四国、九州に分布
  • 環境省レッドデータでは準絶滅危惧種(NT)に指定。

いやーかっこいいっすね。
え?ゴキブリじゃん?と思ったそこのあなた。のんのんのーん。
ていうかさ、ゴキブリみんな馬鹿にしすぎだよね。
かっこいいのとかかわいいのとかきれいなのもいるんだよ。

見てくださいよこの色!クロゲンだけど真っ黒じゃないの!ちょっと緑がかってるし見え方によっちゃあ茶色もはいってくるんですよ。神です。神カラーリング。そんでお顔かわいい。そんなわけもあってゲンゴラーの間でも人気が高い本種。

クロゲン幼虫
幼虫の話。
 ちなみに幼虫は異形のゆるキャラ。
顔の脱力感が凄すぎです。写真は矢印の順に初齢幼虫、二齢幼虫、終齢幼虫で、右下は脱皮直後の写真です。透明感。この顔で大顎から消化液を出して相手を溶かして体液を吸うというおぞましすぎる所業をします。終齢になるとサイズが約50mmになり、成虫よりデカくなります。
そしてこれは飼っているとわかるんですけど、餌の体液を吸ったら見違えるようにデカくなります。日に日に成長を感じるとかそういうレベルじゃないです。餌をあげたら朝と夜でそれはそれはサイズがかわります。恐怖。説明しづらいんですけど、それぐらいかわるんです。(みんなも飼えばわかります。)そんなわけで誰か巨大化したゲンゴロウ幼虫が人間の体液をちゅーちゅー吸うB級パニックホラー映画製作してください。
クロゲンの羽化まで

蛹から羽化の話
ゲンゴロウの仲間は陸上で蛹化します。この写真は我が家で羽化した個体の写真ですが、
矢印の順に前蛹(蛹になる一歩前の段階)、蛹、羽化、新成虫ご登場です。基本的には蛹の期間は一か月ほどになります。新成虫の色が凄いですね。冒頭にも言った通り茶色も入っています。わかりづれえ
生息地の様子
なんて心が洗われる素掘りの水路なんだ!

クロゲンの生き方。
クロゲンは里山の生き物です。成虫は卵を水草に産み付けます。5~9月ごろに幼虫が見られ、新成虫は8~9月ごろに出現し、そのまま成虫で越冬します。種類にもよりますが、クロゲンは田んぼにかなり依存するような形で一生を過ごします。なのでひと昔前なんて田んぼに行きゃ普通にクロゲンやゲンゴロウ(ナミゲン)が見られていたとか。では現在はどうか。そう簡単に見られる種類ではなくなりました。ゲンゴロウ類の大型種のなかでは最も数が多いようですが、少なくとも首都圏で発見するのはかなり厳しいです。(私見ですが。)原因はたくさんありますが、農薬の使用、外来生物(アメリカザリガニやウシガエル等)、水路のコンクリート化(水路はコンクリート化することで流れが速くなり、水草も生えづらくなり、蛹になるための土もありません。だから素掘りの水路って大事なんです。)などです。勿論、田んぼはお米を育て、収穫するところ。農家の方々の生活もかかっています。それだから田んぼと生き物の共存は今のこの便利なご時世厳しいかもしれない。でもこんな魅力的な生き物絶滅させていいんですか?この生き物を次世代に見せられないって悲しい。「でも俺虫とかどーでもいいし」とか思う人もいるでしょう。でももしかしたら将来ゲンゴロウの足の構造とかから人類の役に立つなにかが研究されるかもしれない。可能性はいくらでもあります。保全は人間ためにやるんです。
目先の利益だけではなく、この生き物とうまくやっていく方法を探しましょうよ。頑張りましょうよ。
なんかクロゲンの話というか終盤保全の話になっていますが今回はここまで。

2018年4月10日火曜日

採集の面白さって

生き物を採集する、探す時の面白さってなんでしょうね。まあ色々ありますけど体験談をもとにでもそんな話を一つしてみましょかね。

去年のおはなし。
家からちょっと歩いたところに小学校がありましてですね、当たり前ですがその学校にはプールがあるんですよ。プールがあるんだからやっぱり夏前までにはどうやってもプール掃除をしなきゃなりません。でも田舎のプールには生き物が無茶苦茶いるもんです。(特にヤゴ)そして僕はその小学校の卒業生であるというツテを使ってプールのヤゴ採りをここ数年任されていました。

つまりこういうことです。
                   僕 
   ヤゴを採って小学生にあげる  ↓  ↑  採集の場を提供
                  学校側
                    まさにWin-Win
そんなわけで去年も意気揚々とヤゴを採って小学生に分けてあげよう!と思ってたわけですね。
しかしプールに到着し、網をいれるとすぐ事件が発生します。
ガサガサガサガサ…
 「マルガタ採れたああああああああ!」
マルガタゲンゴロウ(Graphoderus adamsii
見てくださいよこの渋いカッコよさを!

発狂です。校庭では生徒が運動会の練習をしています。全視線がこちらに注がれます。
先生方の目が痛いです。でも止まらない手の震え。僕みたいなへっぽこゲンゴラーにはマルガタゲンゴロウが網に入っている事実が感動なのです。しかもプールで。まさかのプールで。
正直ヤゴどころじゃないです。
ごめんね小学生。ばいばいヤゴ。
(この後先生方のご協力により、無事に大量にヤゴは確保しました)

もうマルガタしか頭にない僕は帰宅後図鑑を開きます。マルガタってこんなところで採れるもんなの?という疑問です。神図鑑である『図説日本のゲンゴロウ』(森正人、北山昭 2002年)のマルガタに関する記述を参考にして簡単にまとめると、

  • 田んぼ、池などに生息
  • 各地で減少し、近年は環境の良好な場所に生息
ということになります。
マルガタが採れたプール
    いやいやおかしいでしょ(笑)
                     ドブですよこれ
しかもマルガタって個人的にはゲンゴロウ(ナミゲン)とかタガメとかとおなじような採集難易度だと思ってたんですが。
これが冒頭に言った採集の面白さの一つじゃないでしょうか。勿論図鑑は間違っていません。普通は環境の良好なところで採れる種類なんです。ですが相手は生物。絶対に「例外」があります。その「例外」に悩まされることもあるわけですが「例外」によってこんな面白い出会いもあるわけですね。そして今回の場合はプールに飛んできていたところに運よく遭遇ということだったようですが、地元近隣にはマルガタがいるということの発見でもあった訳です。これは保全にもつながる成果な訳です。
これだから採集って面白い。今日はこんなお話でした。

2018年4月8日日曜日

ブログ始めてみました

どうも皆さんこんにちは。虫屋(ゲンゴラー)で鳥屋のgentilisと申します。
生き物の魅力を伝えようという趣旨でブログ始めました。
採集記とか保全の話とか生き物の紹介とかがメインになるかと。
初投稿だしなんか写真でも貼ってみましょうかね。(目にピントが合ってねえぞ!)
ツブゲンゴロウ(Laccophilus difficilis
可愛いでしょ?