2023年12月9日土曜日

レアケース?

 ちょっと前、しれっと数日間西表島に行っていました。この際の生き物の話はまた今度するとして、今回は帰りにちょっとびっくりした出来事を紹介。

西表島へは石垣港からの定期船で行き来します。定期船を出しているのは現在は安栄観光と八重山観光フェリーの2社。今回は安栄のチケットをネット予約で往復買いました。(ネットだとちょっと安い)ちょっと前までは2社共通乗船券だったらしいんですけど、今はどっちの会社かしか乗れません。安栄観光はどうもめちゃくちゃ速いことで有名らしいです。というか小さい船にあたると、海況によってはめちゃくちゃ激しい航行になります。実際前の座席に「シートベルトつけないで乗ってたら重症を負った例があるのでシートベルト絶対しろ(要約)」という紙が貼ってあります。
僕はこのめちゃくちゃ揺れるのを楽しみに前方座席に乗ったりします。誰も聞いてないよ。

んでまあ、このめちゃくちゃ激しい航行をするとかそんな話は本題ではないのです。その出来事は西表大原-石垣港間でした。

98号!でっかくなくてちゃんと揺れそうなやつ!

9:30大原発のに乗り、シートベルトをしっかりとしめ、現実に引き戻されることを噛みしめながらぼーっと西表を眺め、いざ出港となったタイミングで船内アナウンスが。
本船は新城島に寄港します。新城島までの所要時間は10-15分程度です。」
え?新城島に寄港??そんなことするの?黒島や小浜島経由とかは時刻表にも書いてあったりするので知っていたのですが、新城島は聞いたことがありませんでした。

そもそも新城島ってどこやねんどんな島やねんという方はこちら(竹富町HP)
西表によく行く方は、大原に船が向かうちょっと手前で左に見えるすっごい薄い島というと伝わりそうです。

そうこうしている間にあっという間に新城島の上地港へ到着。

新城島。なんで天気悪いんだよおおおおおお

船首側のドアから数名が下船し、ほんとに1分ぐらいで上地港を後にしました。
ちらっと調べてみると、やはり新城島への定期船は就航しておらず、ツアー船やチャーター船で上陸するのが一般的とのこと。しかし新城公民館から要請があったりするとどうも定期船が寄港することがあるらしいんです。実はこの日の深夜、海外の地震の影響で一時八重山にも津波注意報が発令されていました。(出港時は既に注意報は解除されていた。)なんか水位変動の影響を確認するために竹富町の職員が降りたのか?とか勝手に妄想していましたが、降りた皆さんがあんまり職員ぽい服装ではなかったと記憶しています。SNS上で検索をかけると、どうも新城島へのツアー客が定期船へ混乗する事例がある模様。単純にそういうことなのかもしれません。
いずれにせよレアケースなのかな?とは思っていますがどうなんでしょうか。私は西表には4回しか行っていないニワカ勢なので、長く通っているベテラン勢の皆様には経験された方もいるのかもしれません。上陸こそしていないものの、間近で新城島を見られてラッキーだったなあと思っています。

2023年11月12日日曜日

なんということでしょう

 


先日白バックレタッチに関する秘技を教わったので色々試して遊んでいます。以前撮らせてもらったアカボシルリゴキブリの触角の白も残りました。神です。

Before

白くかすんでしまったベニツチカメムシも…

After

な ん と い う こ と で し ょ う 例のBGM
霞がすっかり取れ、現物の虫をみたままに近い色になりました。

すっげえ楽しいので、前に撮った酷い写真を救出しています。編集技術は大事だね。


2023年10月21日土曜日

脱線その2

 脱線その2です。早く遠征記を書け

なんか最近身の回りで八重山に行っている人がめちゃくちゃ多く、その採集品を見せつけられて悶々としています。ぼくもいきたい。昨日その気持ちを和らげるべく、八重山(というか西表)のカタビロアメンボ画像をまとめてみました。余計行きたくなりました。

八重山カタビロ

国内には現在22種がいるカタビロたちのうち、半数以上にあたる12種が西表で採れます。しかもそのうち(今のところ)八重山の固有種がヒゲナガ、タカラナガレ、ヒラシマナガレの3種、国内唯一のRhagovelia で先島諸島にしか分布しない且つデッカイカタビロ枠(3.5 mm)のアシブト、国内だと西表でしか採れないウエノケシなどマニア垂涎の種まみれなのです。モリモト…?モリモトは…なんか採れないので…僕には聞かないで…

これらを主目的に西表に行く人が…います。いますよね?数人はいるはず。
僕は行きました。


2023年10月7日土曜日

脱線

 しばらくブログが更新できていなくてごめんなさい。学会に行ってそのまま遠征に行ったりコロナに罹って39度の熱にうなされていたりしました。家庭内でもらいました。不覚。今はインフルも流行りみたいですからね。皆様お気を付けください。

さて、本来なら奄美遠征の続きですが、ちょっと脱線。今回は最近しっかり集めだして今年撮ったヒメドロムシの写真をバンバン載せていこうと思います(いままで載せていなかったものだけ)。奄美記事でも触れましたが、昨年あたりからようやくコツをつかみ始め、この仲間が採れるようになってきました。オーソドックスな採り方自体は先駆者の皆様がネットにも書いてくださっているのですが、真似しても全然採れなかったので一人で「どういうこと??」と半分キレていました。迷惑オタクすぎる。 それが最近ようやく採れるようなり、採れだしたら今までほとんど手を付けていなかっただけにほぼ全て初採集という楽しさな訳です。

はい、じゃあまずは砂利をガチャガチャやって採れる系。

アカモンミゾドロムシ

普通にカッコイイ。関東では少ないのかしら??どうなんでしょう。九州ではいっぱい採れました。赤っぽい虫なんだからカッコイイに決まってるだろ!!

マルヒメツヤドロムシ

ちっっっっさいヒメドロ。ケシカタビロアメンボより体感小さい。この個体は多分新成虫?本来はもっと頭部が黒っぽい気がします。かわいい。

ツヤヒメドロムシ

こちらもカワイイ系。紋がカワイイ。すごくよく採れる。ツヤドロ系と一緒に大抵採れている気がする。
ツヤナガアシドロムシ

厳密には川底ガチャガチャ系ではなく、岩肌コケわさわさ系だと思いますが、ガチャガチャやっても複数採れているので許して。キベリナガアシとの見分け方がわからん。上流側で採れたのでツヤでしょう。許して。上翅の縁がちょっと黄色いのがお洒落。

ゴトウミゾドロムシ

今年のお気に入りヒメドロその1。小さめ。なんか現状採れても一個体ポロっと採れたりでイマイチよくわからない。胸の模様がカッコイイ…と思いきやこれどうも模様じゃないっぽいです。標本にすると真っ黒になってしまいます。ということはプラストロンなんでしょうか。

Heterlimnius sp. 

いわゆる「おぷちお」と呼ばれていた皆様のうちの誰か。(ちょっと前まで Optioservus という属名だった。) どうも同定がめためたに難しいらしいので属止め。各地で採っていて、なんとなく手元に2種いる気はするんですが、全く僕にはわからないです。助けて有識者~~。かっこいいのは確か。種内でも斑紋に変異があるらしいです。

はい次、流木系。

アヤスジミゾドロムシ

今年イチ嬉しかったヒメドロ。日本人が好きすぎるヒメドロと言われているとかいないとか。デカい(3.5 mm ぐらい)。綺麗。脚長い。神過ぎる。猛暑の中胴長履いてこやつが2個体ついている流木を見つけたときの感動たるや。

ヒメハバビロドロムシ

ヒメドロにしては短い脚、横に広い体型。可愛い系。源流の流木にポツポツついています。
こやつら、全身空気だるまになるので、ある意味最強クラスに白バックが難関です。(下写真参照)

もうこれこういうゆるキャラだろ。

こういうところ含めてかわいい。

最後に根際系を一種。いまのところこの根をガサガサするのが一番苦手かもしれません。
セマルヒメドロムシ

この前に案内していただいて採ったやつ。体型が独特すぎる!!また良い虫を採ってしまった…。流れがめっちゃ当たるヨシの根際(というかほぼ土壁みたいになっているところ)から得ました。

というわけで今回はこれぐらいで。離島のものなんかについてはまた別記事で載せると思いますのでね。その時にでも。


2023年9月3日日曜日

AMAMI DAY3

 3日目は朝からダッシュでとある湿地へ。奄美に行くたびに行っている湿地なのですが、いっつも水中と水上に気を取られすぎていて全然ちゃんと探していなかった某トンボを探しに行きます。

オキナワチョウトンボ(左)&タイワンウチワヤンマ(右)

無数のトンボたちが飛んでいます。その中から目標のトンボを探すこと数分。


いた。

いたいたいた!!!


ハネナガチョウトンボ

ハネナガチョウトンボ!!思いのほかデカい!!めちゃかっけえ!!
本種は国内ではこの湿地にしか生息しません。台風か何かで東南アジアから飛ばされてきたものがこの湿地に定着したと言われています。


びゅんびゅん

高速で飛び回っては一瞬止まってを繰り返しています。たまに他のトンボと揉めています。
本種は種の保存法の指定種なため採集できません。というか生息している湿地そのものが条例で採集禁止になっています。この湿地は水生昆虫的にも激アツで、来るだけで精神がみるみる回復していきます。暑さを忘れて楽しんでしまいました。時間はないのに。


次地点への移動中、途中に行きつけの側溝パワーワードすぎるがあるのでよっていきました。ここはカタビロアメンボがいっぱいいるのです。ふと水中を掬っていると、見慣れないガムシが網に入りました。

こ、これは...?

アマミヒメマルガムシ

う、うわあああああああああああああああ!!アマミヒメマルガムシだああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!
今年になって記載されたばかりの新顔ガムシ!!南西ヒメマル三人衆の一角!!発生時期が極めて限られているという噂があるようです。本種の記載文はネットで誰でも見ることができます。(リンクはこちら。
このあとこの側溝内の落ち葉をかき混ぜると浮いてくることがわかりました。数個体確保。
ネット上にはおそらく本種の生体の写真が存在していない可能性が高いです。というわけで人類が初めて目にする本種の生体写真です。(大袈裟)
というかルックスが良すぎるだろ!!動きもめちゃくちゃ可愛くて、もうあっという間に虜です。予想外の出会いに奇声をあげつつも島を北上。


昼飯時になったので鶏飯を食べにひさ倉さんへ。初日に寄ろうと思っていたものの、バカみたいな混み方をしていたので空いてそうな平日に来ました。それでも夏休みシーズンなのでちょっと待ちましたけど。うめえ。うめえんだわ。最高なんだわ。

エネルギーを補充したので少し海へ。


到着後、さてサンゴミズギワでも探すか~と思った矢先、豪雨。どうして。ちょっと嫌になるレベルの豪雨!!車に撤退するものの、なかなか止まない。んんん…
このあとツイッターの知り合いの皆さんと川で合流の予定なのではやく止んでほしいんですけど…と思っていたらもう目的地に行かないといけない時間に。くやしい。

川で数名と合流。目標は某ヒメドロムシ…なのでひたすら根際をガサガサ。
ガサガサ…ガサガサ…ガサガサ…採れない…採れるのはいつものアイドルエグリタマと、リュウキュウムナビロツヤドロムシ。

リュウキュウムナビロツヤドロムシ

くりくりおめめ。君もカッコイイんだけどね!!なんだかんだようやく新鮮な個体の写真が撮れました。金ピカ。しかし狙っているのが採れない。時期も場所もあっているはずなのに…。どうして。気分転換に川底の石をがちゃがちゃやったら、別のヒメドロが採れました。

アマミミゾドロムシ

おい。かっこよすぎるだろ!!!!
黒×黄色は反則なんだわ!!!!おい!!!!おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおい!!!!
ヒメドロ、採れるようになると滅茶苦茶楽しいですね。今までちゃんとやってこなかったのを悔やむレベルには楽しい。最近は川に入るたびにやりまくっております。本種は夏に出る奴らしいです。個体数は多めで、割とぽろぽろ採れました。

そうこうしてたらタイムアップ。むしとりがへた。本日の夜探はまたツイッタらんどのフォロワーの方と合流してなのである。へへへへ。

皆さんと合流して林道へ。

アマミハンミョウ

葉上で休んでいるアマミハンミョウ。素敵。

オットンさん。

クソデカオットンさん。こんばんは。

アマミハナサキガエル

そういえば今回撮ってなかったハナサキさん。明るいうちに降った雨のお陰かカエルが数多く路上に出ていました。

ここでまた豪雨。いやもうそんなに降らなくていいので…と思った矢先!!

ハブ

ホンハブきちゃあああああああああああああああ!!!!
恐る恐る遠方からパシャリ。酷い写真ですが、証拠写真ヨシ!!めっちゃくちゃカッコイイ!!コロナ禍以前に会って以来の再会でした。豪雨の中でしたが何も考えず道を飛び出しびちょびちょに。いやそんなことがどうでもなるカッコよさ。このあと森に消えていきました。

山を徐々に下ります。そういえば今回まだイシカワガエル見てないなと話していたらぴょんぴょんしてました。

アマミイシカワガエル

ほええええ…やっぱ綺麗じゃあ…
背景がコンクリじゃないのが良し。やっぱりオキナワイシカワよりはるかに見つけやすいですね。

まだ続く豪雨。もういいんですけど。

あーーーーっと、ここで前方路肩に黒い毛玉です。

全身で豪雨浴びてるやん。

すいません。アマクロさん。もう少し奥に木陰はあると思うんですけど。
そこに行けば雨よけられますけども。なんでそんな直に浴びるとこでぼーっとしてるんですか。浴びたいのかな。シャワー的な。


いや逃げないのかよ!!!!!
というか雨浴びて目シパシパしてるじゃん!!なんかちょっと雨がめんどくさそうな顔してるじゃん!!ていうかこの雨は人でも当たったらちょっと痛いやつだよ!!(なおこの個体がケガをしているわけではなさそうでした)



奄美は生き物が割とぼーっとしています。
夜の林道は、ゆっくり走ろうね!! 

3日目終了。お付き合いいただいた皆様ありがとうございました。

2023年8月5日土曜日

AMAMI DAY2

 


2日目。この日は朝から瀬戸内へ。ここからフェリーで半日だけ加計呂麻島へ。少し用事と確認しておきたいことがあって。

於済のガジュマル

加計呂麻はガジュマルがでけえ。そんなイメージがあります。

これは”良い”カタビロの長翅。帰宅後撮影。
むしとり確認ヨシ!!

はい、虫とりはしています。してるって!!ほんとにしてるよ!!

確認したいことは無事完了。ブログでは書かないですが、良い感じでした。ふふふ。


しかし加計呂麻、全ての景色が良い。いちいち良すぎて全然前に進めない。

ウミアメンボ幼稚園

途中、昨年見つけて降りれることがわかった入り江にもよってみました。ものすごい数のウミアメンボたちが群れていました。

ケシウミアメンボ

岸際にはケシウミアメンボも。アカショウビンやかすかに聞こえるオオシマゼミの声を聴きながら誰もいない海辺でぼ~っとこの2種を眺めている時間のなんと贅沢なことか。もうここで死にたい。迷惑。

武名のガジュマル

加計呂麻はガジュマルがデカい。(2回目)
いやほんとに。わけわかんないぐらいでかい。すごい。加計呂麻に行く人は絶対見に行ってください。


しかし加計呂麻、全ての景色が良い。(2回目)こんなのがふらっと現れる。ずるい。
結局こういうことしてたら、フェリーの時間になってさらば加計呂麻。任務は終えたのでOK
。また来ます。


大島へ帰還。帰還後はまずこちらへ。世界遺産センター。オープンしてから来ていませんでした。展示の写真は掲載していいのかわからないので載せませんが、壁にバーンと映し出される映像が美麗。15分ごとに昼と夜が切り替わる演出になっていて、実際に森に入ったかのような体験ができます。なんかタブレットみたいなの操作して動物(剥製)を見つけたり鳴き声が聞けたりします。かなり能動的な展示でした。入館無料でサクッといけるので是非どうぞ。

このあと、ツイッターの知り合いの方と合流。水昆ポイントを案内して頂けることに。

マルケシの誰か。後日同定します。



トビイロゲンゴロウ

などなどと戯れました。最高。マコモ田の横に川があったので寄って行きました。

お、砂利っぽいじゃ~~~ん?

となればやることは1つ!!かき混ぜるよなあ!!!!
多数のアマミコチビミズムシがわちゃわちゃしているけど、その中から浮いてくる浮いてくる。
ツヤヒラタガムシ属の誰か。

これ、リュウキュウツヤヒラタじゃない!!!図鑑でもその存在が書かれている未記載のやつだ!!赤い!!カッコイイ!!!

続けているとさらに小さいものも…

ビクトリアダルマガムシ

ビクトリアだ!本州でよく見かけるミヤタケダルマよりさらに小さい!!良い!!
ううふふふふふ、やっぱりかき混ぜるのは楽しいねぇ…
そうこうしていたら真っ暗になっていました。妖怪川岸砂利かき混ぜ

そのままの勢いで林道へ。

大ミス。

早速アカマタがお出迎え。失礼しました。設定がミスっていて大変なことになってしまいました。

アカマタ

うへえっへええへへへ…。かっこいいねえ...。

オットンガエル

オットンちゃんだ。でっけえ。このどっしり感が好き。

なんか色々ゴミが顔についてますよ。

すき♡。テンションきも。

車の前でぼーっとしているクロウサギ。

最早安心感のあるアマミノクロウサギをみつつ終了。
楽しいねぇ!!楽しいね奄美ねえ!!!(この世の真理。)

3日目へ続く。