2020年11月23日月曜日

Halobatinae

 先日河川のよどみでとあるアメンボを採集してきました。

シマアメンボ Metrocoris histrio

はい、シマアメンボです。割と知名度はあるほうなんじゃないですかね。体長はだいたい5-6mmぐらいです。まあアメンボは脚が長いから大きく見えますけどね。流水環境では普通に見られる種類なんですが、白バックを撮っていませんでした。今回採った場所ではアメンボと一緒に泳いでいましたよ。(また現地での写真撮り忘れました。良い加減にしろ)えーーと、どうでしょうか、模様がめっちゃしっかり入っていて派手ですよね。アメンボというと黒だとかグレーとかシックな色をしているイメージの方多いかもしれませんが、シマアメンボはわかりやすく模様が入っています。シマ…まあ確かにシマ模様にも見えますが、なんとなくトラに見える気もします。どっちでもいいっちゃいいんですけど。あとどうですか、池とかでよく目にするアメンボとフォルムだいぶ違いませんか。これ見て、「あ!!」と思った方は素直にすごい人で、あーーはいはい話題をそっちに持っていく気ね。って分かった方は察しが良すぎます。

アメンボ Aquarius paludum
雑すぎる写真

よく見かけるのは上の写真みたいなシュッとした体の細長いアメンボじゃないでしょうか。
シマアメンボとはだいぶ違いますねぇ。にしてもアメンボかっこいいな

じゃあ何に似てるかというと…

コガタウミアメンボ  Halobates sericeus

似てるでしょぉ???
でてくる秘蔵写真

それもそのはず、シマアメンボはウミアメンボ亜科なのですよ!!!ウミアメンボ亜科ですが淡水に暮らすタイプです。我々が普通に見る(ナミ)アメンボはアメンボ亜科です。
つまりシマアメンボはアメンボよりもウミアメンボに近い仲間ということになります。
今回シマアメンボはオスの写真を撮っていないのですが、オスの腹部もウミアメンボに近い形状です。ちなみにウミアメンボ亜科は腹部形状(特にオス)と、中脚・後脚の付け根のメカ感が興奮ポイントです。ヘンタイ性の高いコメント

シマアメンボ属は日本に二種しかおらず、本州で見られるものはこのシマアメンボだけ。よって本州の河川とかでやけに派手な模様のあるアメンボを見かけたらシマアメンボで確定です。(南西諸島の一部の島には別種のタイワンシマアメンボが生息しています。)
あと言い忘れておりました。シマアメンボにも長翅型がでます。長翅は長翅でカッコイイです。探してみてくださいネ。

2020年11月16日月曜日

南の島のセスジ

 ここのところ大変ありがたいことに南の島で採れたゲンゴロウをよく頂きます。(本当にありがとうございます。)大抵その中にはセスジゲンゴロウ属が入っていますが、基本リュウキュウかタイワンの二種です。せっかくなのでこの記事では南西諸島では普通に見ることが出来るこの二種の雄交尾器中央片を見ていくことにしたいと思います。

まあーまずは見た目をパパっと見ていきましょうか。

左がリュウキュウセスジゲンゴロウ Copelatus oblitus
右がタイワンセスジゲンゴロウ Copelatus tenebrosus

未展脚ですし写真もお粗末で申し訳ございません。なんだこれかすんでるぞ写真が
ご覧の通り体型も違いますし、色も違うのでなんとなくどっちがどっちかは分かってくるのですが、リュウキュウセスジは割と個体差が激しく、もっと上翅が黄色っぽい個体もいればだいぶ黒っぽい個体もいるので、迷ったときはやはり雄交尾器中央片を見てしまうのが手っ取り早いかと思います。

というわけでリュウキュウセスジの雄交尾器中央片です。

リュウキュウセスジ雄交尾器中央片

何回か過去にもこの中央片は紹介している気がします。Y字状になっており、非常に特徴的でわかりやすいです。この突起は果たしてどんな役割があるんでしょうか。謎。

それではもういっぽうのタイワンセスジ。

タイワンセスジ雄交尾器中央片
(写真中央のカーブしてるやつですヨ)

リュウキュウセスジに比べ大変シンプルでより細い印象を受けます。こっちはリュウキュウより先端等々細いせいか交尾器を抜いている時に折れないか心配になります。

こセスジゲンゴロウ属は見た目での同定が困難な種も多くいます。最初に述べた通り、見た目でなんとかなることもあるでしょうけども、この二種は南西諸島ではよく見かける種なので雄交尾器中央片の形状は覚えておいて損はなさそうですね。

2020年11月9日月曜日

続々到着

 本格的に冬が近づいてきた気がする昨今です。冬鳥が続々と到着していることに季節の流れを感じます。

ジョウビタキ Phoenicurus auroreus

んんんんジョビぃぃぃぃぃぃ!
今期もカワイイです本当にありがとうございます。助かります。
数週間前から声はしていましたが自宅のアンテナにきて鳴いておりやっと目にすることができました。こんなにアンテナが似合う鳥もなかなかいないんじゃないでしょうか。

近所の調整池にはカモたちも。

マガモ Anas platyrhynchos

相変わらず鮮烈な緑色です。毎年来るカモさんたちでもやはり会えると嬉しいものです。
マガモ・カルガモのなかにサイズ感が違うのがいたので確認してみると。

オシドリ Aix galericulata

計四個体(♂2♀2)みられました。しっかし雄は目立ちます。オスは勿論綺麗で良いんですが僕は割とメスのあのシックな感じが好きだったりします。オシドリは顔もカワイイですよね。今日は他にハシビロガモやコガモがごく少数みられました。
写真は撮れていませんがツグミもかなり来ています。飛来直後は木の上にいることが多いので姿は見辛いですが今日は割と飛んでいる個体をみかけました。あとはシメも。ここにきてかなりおなじみの冬鳥がドサっと増えた印象です。

冬鳥ではないですが…

アオサギ Ardea cinerea

なんかやってますね…なぜか見てはいけないものをみたような気分になる
というわけで鳥の季節になってきましたヨ!!当ブログ中の人もメインを虫から鳥へモードチェンジ。冬鳥の皆さん、今季もよろしく。

2020年11月1日日曜日

ドストライク

 ここ最近あまりフィールドに出られていなかったのですが、IROMT島に行っていた知人が「死に物狂いで森をさまよっていたらカタビロアメンボの仲間が沢のよこの水たまりにいたので採っておいた。」と持って帰って来てくれました!!!ありがとうございます。しかもその中に個人的にドストライクな種が入っておりましたのでそやつを紹介します。

タカラナガレカタビロアメンボ Pseudovelia takarai
カメラは自前のじゃなくて借りて撮影シタヨ。

ほげええええええええええええええええええええええ
かっちょえええええええええええええええええええ
大きさは2mmちょっとですか。
いやあ赤いですねぇ!!!!もうこれはどうしようもなく良い虫です。
この赤と吸い込まれるようなマットなブラック!そして脚の配色!!最高ですか!変態じみたコメント
ちょっと汚れているのが悲しいですがにしてもこれは過去最高にイカしたカタビロアメンボです!!図鑑で写真だけはみたことがあってやべえじゃんぜってえかっこいいじゃんとは思っていたんですが、案の定めちゃくちゃかっこよかったです。南西諸島の石垣島と西表島からのみ現在は記録があるようです。ナガレカタビロアメンボ属なのでやはり渓流とかの脇にあるちょっとした止水などにいるようです。ん~~これは自分でも採りたいですねぇ!!

無事LINEのアイコンになったのであった


というわけで今回は短めですが紹介ということでここまで。
個人的カタビロランキング堂々の第一位にランクイン。

参考文献
中島 淳・林 成多・石田 和男・北野 忠・吉富博之, ネイチャーガイド日本の水生昆虫, 文一総合出版, 2020年.