2019年11月29日金曜日

あと一種

※本記事はスーパー自己満足記事です。いつもだけど。レンジャクにご縁がない人は多分腹立って来る記事なので読まなくていい!!
ついったらんどで最近北米の野鳥関連のアカウントからBohemian waxwing君、つまりキレンジャクの素晴らしい写真が流れてきて悶えています。レンジャク君が素敵なのはもちろんなんですが、あとキレンジャクだけなんです。見ていないレンジャクは。レンジャク科レンジャク属は世界に3種しかおらず、
その三種は、

  • ヒレンジャク(Bombycilla japonica)
  • キレンジャク (Bombycilla garrulus)
  • ヒメレンジャク(Bombycilla cedrorum)
となっております。
ちょっと待て、そもそもレンジャクってなんだよって方もいらっしゃる筈なので、写真を出しますね。写真見た方が早いでしょう。ヒレンジャクの写真の捜索に十五分以上かかった


ヒレンジャク(Bombycilla japonica

はい、こちらがヒレンジャクです。お見苦しい写真なのはいつも通りなので許してください。は?
この写真はデジカメをスコープに押し付けて撮っています。(それをトリミングしました。)
なおこの写真を捜索中に恐ろしいことが発覚したんですけど、なんとこの写真の撮影年が2013年の3月でした。記憶が確かなら最後にレンジャクを見たのがこのタイミングなので、5年以上はレンジャクを見ていないことになります。もっと鳥見しろ。
時の流れは恐ろしいですね。
話をレンジャクに戻しますが、写真の通り、非常にもうなんだろ、なんていったらいいかわからないけどすばらしいとりさんだとおもいます。人気も非常に高く、レンジャクの有名なポイントではレンジャクの群れよりカメラマンの群れが先に見つかります。(鳥やってるとよくでくわす光景だけど)
AKGS公園にあまり行きたくない理由。あそこはレンジャク去年来なかったんだっけ?
んでまた一部のカメラマンのマナーが悪くてですね…まあこの話は長くなるのでまた別の機会に。今回はレンジャクの布教記事ですからね。

日本で記録のあるレンジャクは2種。ヒレンジャクとキレンジャクです。ヒレンジャクは17㎝程度、キレンジャクは19㎝程度のサイズで、日本には両種冬鳥として飛来します。木の実を食べますが、ヤドリギ×レンジャクは鳥屋界では有名な組み合わせでしょう。(ヤドリギを食べたレンジャクの糞は滅茶苦茶粘り気が強くて凄いデスヨ。)レンジャクの類がまとまってくる有名なポイントじゃ関東にもあるんですが上記の通りなかなかカオスだったりします。そういうポイント以外にもしれっと身近にいたりすることもあるので気を付けて冬は生活した方がいいと思います。キレンジャクだけ、ヒレンジャクだけの群れ、どっちもいるお得感のある群れも見られます。ヒレンジャクのヒはを表し、尾羽の先が赤いことから、キレンジャクのキは黄色ので同じく尾羽の先端が黄色いことからです。

ヒレンジャク。ほら、尾羽の先っぽ赤いでしょ!!
写真が酷すぎる

んで、問題は日本では記録がないヒメレンジャクです。ヒメレンジャクは北米を中心に生息していて、サイズはヒレンジャクと変わらない感じです。
皆さん疑問ですよね?
読者:「貴様ヒメレンジャクみてんのか?お?ヒメレンジャクを見たことが有るのかと聞いている!!キモヲタァ!!」

 ヒメレンジャク(Bombycilla cedrorum
ヒメレンジャクである!!!!

2015年に、アメリカはウィスコンシン州で観察しています。僕が滞在したあたりではヒメレンジャクは留鳥のようです。(一方北米でも観察可能なキレンジャクは滞在地では稀な鳥の模様。)現に夏場に行ったんですけど、めっちゃいっぱいいて、レンジャク=冬鳥というイメージが強かった僕には衝撃でした。というか、現地について一番最初にしっかり見ることができた鳥がこのヒメレンジャクでした。
現地で嬉しさのあまり飛び跳ねました。
ヒメレンジャクの尾羽の先端は黄色がベーシックですが食べ育ったものによってオレンジ色にもなる個体がいるそうです。

というわけで残り一種、キレンジャクでレンジャクはコンプリート!今季決着できるか!!!またご報告いたします。

今回はこちらの書籍をヒメレンジャクの解説に参考にさせていただきました
:David Allen Sibley , The Sibley Guide to Birds Second Edition (New York: Alfred A.Knopf, 2014), p.460.

2019年11月27日水曜日

東北鳥見遠征2019 三日目

三日目突入。朝から生憎の雨と霧。幸い小雨だったので鳥見はできました。
なお本記事は過去最高の情報量でお送りいたします。

ねぐら立ちも霧のかかる中開始。
あれ、このシチュエーションめっちゃかっこええんじゃないの?


かっちょえええええええええ

うおおおおおおおおおおおおお

想像以上のが来てしまいました。とんでもなくかっこよかったです。
近くの電線にこんなのいました。

ミヤマガラス(Corvus frugilegus

去年も見ましたが、今年も見ることができました。嘴のグレー感とおでこの形がイカします。

この絵面もよい…

霧最高。

というかカラス属の属名のCORVUSってめっちゃかっこよくないですか。見た目もかっこよくて属名もかっこいいとかカラスはかっこいいんだぞ。は?

宿に別れを告げ、次に向かったのは海。まさかの海。コクガンを見ようということで海。
というわけで、三陸の海へGO~!

震災で被害を受けた三陸ですが、いざついてみると、川がガッチガチに護岸されていたり、プレハブの建物があったり、「ここから過去の津波浸水区域」って書いてある標識があったり、海沿いを工事していたりで、震災の爪痕を深く感じました。IZ沼・KBKR沼の近辺も先日の台風で被害に遭った地域です。こうやって鳥見で訪れて、ほんの少しかもしれませんがお金を落とし、ちょっとでも活気づけに役立てたのなら幸いです。みんなも、行こう、東北!!

鳥に話を戻しましょう。コクガンは港とかにいるらしいので、とある港に来てみました。
到着してすぐ…

コクガン(Branta bernicla

おーーーおいおいおいおいおいいるじゃんいるじゃん!!
しかもめっちゃ近いし、工事やってる真横で採餌してるし。
これが三陸の力…
コクガンは主に北日本の海岸(湾など)に飛来します。マガンなどに比べるとサイズも小さく、カルガモとあまり変わりません。(60㎝ぐらい)
そう考えると、カルガモってデカいね。
アマモなど海藻を食べます。コクガンの名の通り黒い部分が多く成鳥になると白い首輪みたいな模様がはいる非常にカッチョイイカラーリングです。
にしても、コクガンがここまで近くで見られるとは…

その他にも海沿いの鳥続々。

アカエリカイツブリ(Podiceps grisegena

彼方にですがアカエリ君確認。本ブログでは初登場。何気に見ることができて嬉しい種。

あ、ウだ。どうせカワウやろ。
ん?

ウミウ(Phalacrocorax capillatus)やろ。
こ い つ ウ ミ ウ っ ぽ い じ ゃ ね え か 。

突発企画!ウミウとカワウの見分け方☆~
なんか始まった。

雑。

というわけでベーシックであろう顔で見分けるウミウカワウです。青矢印の通り、嘴の基部の黄色い部分が尖ってるとウミウ、尖ってなければカワウです。もう一つ、緑矢印でしめす通り目の後ろの白色部が斜めになってるならウミウ、平坦ならカワウです。なおカワウっぽいウミウ、逆にウミウっぽいカワウも存在します。なので上の同定形質はあくまで参考程度に。そんなのどうしろっていうんだよ。
「川にいるからカワウ、海にいるからウミウ」もダメです。海沿いにもカワウは普通にいるし、内陸にウミウがいることだってあります。MYK島の大路池にはウミウが毎回いるぞ。全個体が識別できるわけではありませんが、皆さんも是非チャレンジ。今回あげた写真の個体はしっかりウミウしていたのでウミウと判断しました。

コクガンさんの近くにチドリが。一瞬こっちーかなと思いましたが…

イカルチドリ(Charadrius placidus)さん?!
????
何故イカルチドリさんが海辺に?基本は河川にいるもんじゃないの?しかも一羽でポツンと…しかもこのイカルチドリさん、体ぼモフモフ感が若干コチドリチック。ですがアイリングは明瞭じゃないし、足は海藻に隠れていてわかり辛いですがスラっと長め、嘴はコチドリより長いです。
別アングルから。

おん、やっぱりイカルやろ。
自己満足。
イカルチドリです!!!!!!
満足!!

しっかり見ておいて正解でした。海にもイカルチドリっているんですね…たまにあるんでしょうか。教えて有識者。

なぜか逃げないウミネコ君。(別にケガしているわけとかではない。)

ウミネコ(Larus crassirostris

悪役顔ですね。かっこいい。なんで逃げないのよ…

こっちみんな。

ウミネコさん!?いいんですか?!

でっけえカモメいるじゃん。カモメ、魔界だからわかんないんだよなあ。
セグロカモメかなあ…あっ、違うわこいつ。

ワシカモメ(Larus glaucescens)だよね?アナタ。

嘴の感じといい、初列風切の色がグレーなところといいまず間違いなくワシカモメでしょう。カモメ、わかんない!!!!
一応もう一枚。

ワシでいいやろ!!!!
わしはワシカモメだとおもうのじゃ

合ってる、合ってるんだろうけど自信がでない。これがへっぽこ鳥屋の性。
海最後の写真は港を泳ぐコクガンさんで。

いかにも三陸っぽい絵面。イイナァ…

午後は再びKBKR沼周辺に戻って最後のねぐら入りをみることに。
相変わらずノスリ多し。

ノスリ(Buteo buteo

ノ ス リ 君 本 遠 征 記 事 皆 勤 賞

ノスリ君まあかっこいいからね。何回でも載せられます。
葦原にいたのは…

オオジュリン(Emberiza schoeniclus
あ、オオジュリンさんだ。お久しぶり~。
ん?

既に面白い
あっ。

ふふふ
超低画質
め っ ち ゃ み て き て た。

なんかすいません…オオジュリンさん…
ねぐら入り直前、電線に止まる一羽の猛禽。
あのサイズ感はもしや…

コチョウゲンボウ(Falco columbarius)

コチョウゲンキターーーーーーーーーー!!!!!
しかもオス!!!はいはいはいはい始まってますよコチョウゲンタイム!始まってんなぁ!!
今回も、去年もなんですけど、コチョウゲンをじっくり見るチャンスには恵まれていなかったので非常に嬉しい限りです。
コチョウゲンボウは個人的には日本産ハヤブサ科では最もタイプな種でして興奮が収まりませんハァハァ。久方ぶりの出会いです。(一年ぶり?)オスをしっかり見るのなんかほんとに久々だと思います。最初にコチョウゲンを見たのはWTRS遊水地のウォッチングタワーに登った時で、背面の青灰色が鮮烈に記憶に残っています。この生き物最高じゃないですか、オスは特に腹面のオレンジと背中の何とも言えない青っぽい色が絶妙で、派手になりそうな組み合わせなのに派手じゃないあたりが最高です。それでいてキジバトよりも小さいキュートなサイズ感とお顔の可愛さと猛禽のカッコよさを兼ね備えたとんでもない鳥です。

あああああああああああああああああ

あああああコチョウゲンと目が合ったよおおおおおおお
ファンです。食べてください。

凄い遠い位置からでも鳥はしっかりこちらのことを見ていますね。こればかりは人間は叶いっこありません。
もう夢中です。メロメロです。ねぐら入り始まってますけどなんかもうコチョウゲンが素晴らしすぎてコチョウゲンばっか見ています。


ガンねぐら入りバック
ふぉおおおお
流石にねぐら入り見ないのはアレなので、コチョウゲンにお別れして本遠征ラストのねぐら入りを見ます。
朝と同じで霧が出てきて幻想的だぞ!!

最後まで圧巻。ただただその一言に尽きます。

ああ、この景色もまたしばらく見られないんだなぁ

なんだか感傷的になってしまいました。いや、非日常から日常へ連れ戻されますからね…
この光景は絶対に後世に残さねば…我々の使命でしょう。
この記事を見て少しでも興味がわいた皆さん、是非足を運んでください。上のコメントの意味が分かるはずです。
あと、ずんだシェイク美味かったです。(突然)
なんと本遠征、同行者にまとめて頂いたんですが、自分でもやれ三日で85種見ることができました。
同行して頂いた皆さん、ありがとうございました。めちゃくちゃ濃い三日でした。楽しかったです。


また来年来ます。その時はまたよろしく。東北。


2019年11月26日火曜日

東北鳥見遠征2019 二日目

2日目の朝。KBKR沼にてねぐら立ちを見ました。
にしても今回の遠征は天気が微妙で昨年のように朝焼け、夕焼けをバックに見ることができませんでした。
それでも圧巻は圧巻なんですが。

ねぐら立つガン達

圧倒的物量

これですよこれこれ!!すんばらしい。

ねぐら立ちが落ち着いたので、周辺をぶらぶら。
 ガン・カモの中に何かを抱えた猛禽が。その猛禽は電柱に止まりました。

おおおおおおおおっ!!

ハヤブサ(Falco peregrinus)

うおおおおおおおおおおおおおおおかっけえええええええええええええええええええええ
臓の物が出てしまっているよぉ?
捕食された側はおそらくコガモの♀だと思われます。朝からドラマを目撃して大興奮。

沼に残っているのは…

亜種オオヒシクイ(Anser fabalis middendorffii)

近くて見やすいですねえ。このあたりは亜種ヒシクイよりも亜種オオヒシクイのほうが多いようです。亜種ヒシクイよりも嘴が長いようです。

周辺水田では…

シジュウカラガン(Branta hutchinsii

近めで見ることができました。今年KBKR沼には4000羽を超えるシジュウカラガンが飛来しているようです。

オオハクチョウ(Cygnus cygnus

緑と白が映えますね~。かわいい。
 朝イチで主役をはった猛禽再び。

ガードレールにハヤブサ。
この絵面我ながらかっこいいと思う。どうなの?ねえねえ

もう少し寄れました。(というか進行方向にこの子が陣取っていました。)

ちっか。

まだ若いですね。

その後も周辺をぶらぶら。

ノスリがなにかを捕まえました。

ノスリ(Buteo buteo)

すごくわかり辛いですがヒミズ?を咥えていますね。今日は捕食シーンが多くみられて感激ィ!!捕食シーンってなんであんなに興奮するんでしょうか。
ワタシ、猛禽になら食われてもいいわ!!

スーパー保護色の鳥が田んぼに。

ムナグロ(Pluvialis fulva)

む、ムナグロさあああああああああああああああん!!
んんんんほおおおおおおおおおおお うるさい
にしても目のくりくり具合が尋常じゃねえ。
シギチは最高なのだ。

この日はIZ沼にてねぐら入りを見ようとしましたが、ガン達がまばらに帰ってくるし、挙句真っ暗になってからでかい群れが入ったりとでロクな写真が撮れませんでした。
代わりと言ってはなんですが、沼の様子をのっけて二日目の記事終了。
鳥たちのワイルドさが実感できた日でした。

まだまだ湖面に空きアリ。

2019年11月25日月曜日

東北鳥見遠征2019 一日目

昨年に引き続き、IZ沼・KBKR沼にてガンたちを見てきました。

マガン・シジュウカラガンの群れ

ついて早々相変わらず圧巻の物量。上の写真にはしれっとシジュウカラガンが混じっています。
 この群れにいきなり変なのが。お?

マガン(Anser albifrons)のバフ変(多分)

薄い!!薄いよ色が!!今季はIZ沼・KBKR沼周辺には約20万羽が飛来しているようですが、母数が多いからこそこういう個体がときどき見られますよね。

ノスリ(Buteo buteo

カッコよさと可愛さを両立した猛禽ノスリ。めちゃくちゃ数います。正直初日で飽きた。

カリガネ(Anser erythropus

去年と全く同じエリアで見られました。数十羽はいたと思います。
黄色いアイリングが目立ちますね。嘴もピンク味が強く、紅生姜刺さってますよ体のサイズも小さいです。

オオハクチョウ(Cygnus cygnus

相変わらずなんかユルいオオハクさん。可愛い。

群れの中に”白いの””がいるとの情報。

ハクガン(Anser caerulescens)幼鳥三羽

キャ――――――――ハクガンさああああああああん!!!
うるさい

三兄弟でしょうか。大変にカワイイでございます。

ごおおおおおおおおおおおおおおお

IZ沼水面に。

ミコアイサ(Mergellus albellus

今回はメスが多かったイメージ。パンダは少なかったです。

パンダじゃないけど白黒繋がり。

セグロセキレイ(Motacilla grandis

なんだか絵になる感じ。
ねぐら入りを見にKBKR沼へ。

ごおおおおおお
始まったよ

始まってんなぁ!

こちらも相変わらずの迫力。轟音と共に飛んでくるのはホントに全人類一回は見た方がいいと思います。
2日目に続く。