2020年4月25日土曜日

最近の成果

公園も人が多くて最近はなんだかダメみたいな感じになりつつありますが、水分の多い場所に一人で自転車or徒歩でいくぶんには誰も会いませんから、同市内の水場を依然としてぶらぶらしています。まあ事故ったりして病院送りになったら元も子もないですから、無理は出来ませんけどね。

そんなこんなで採集できた水昆に一部なかなかいいのがいましたので紹介を。


だーれだ??

んーまあ知名度としてはゲンゴロウやガムシと比べるとかなり低いと思うんですけど、黄色と黒が奇麗でしょう??

マダラコガシラミズムシ Haliplus sharpi

という生き物です。コガシラミズムシなんて初めて聞いたぞって方もいっぱいいらっしゃると思うんですけど、(このブログの読者に限っては八割ぐらい知ってそうですけど)ゲンゴロウでもガムシでもない水生昆虫です。マダラの場合サイズは3mmちょっととかで、大きい生き物ではありませんがコガシラミズムシ科のなかでは大きい部類です。食肉亜目なので、ガムシよりはゲンゴロウに近い仲間ですが、成虫も幼虫も藻類を食べているようです。このマダラコガシラは実は環境省指定の絶滅危惧Ⅱ類でして、全国的に見ても数は減っているようです。人知れず減っています。僕もあ、コガシラ入ったわ~というテンションでもってかえってきたらマダラだったので、「マダラじゃねえか!!!」と声をあげてしまいました。
地元もしっかり見なきゃですね。


もう一種、

ミヤタケダルマガムシ Hydraena miyatakei

えー、写真見て頂ければわかると思うんですけど、小さいです。1.5mmです。
僕の使用しているカメラでは限界を迎えます。ガムシって名前がついているので、ガムシの仲間なのかと思われる方がいっらしゃるかもしれませんが、ガムシの仲間ではなくダルマガムシの仲間です。「ダルマガムシ科」です。この仲間はハネカクシに近い仲間です。なにがなんだかわからんとはいってはいけない
ダルマガムシ科については僕も経験が浅すぎて詳しくは語れないんですが、大抵の種が河川から得られるのに対して、ミヤタケ君は止水域から採ることができます。最近ブームが来ているらしいですよダルマガムシの。多分ですが一番見つけやすいダルマガムシはこのミヤタケなんじゃないでしょうか。今回は、枯れ草が水中に沢山あるエリアをガサガサやったらいっぱい採れました。水中の植物基質上を歩いて移動します。その小ささから見逃されていることも多いんじゃないかという気がしますが詳細は不明です。

逆さ向きに水面下を歩くミヤタケさん
カワイイ。

えーーーなんというか、独特の雰囲気が最高でございます。色も渋めの黄色がイイです。

いいね~~~

皆様の中にも「今まではおっきいの見てばっかりだった」という方いらっしゃるとおもいます、(僕も最近まではそうでした)是非小さな虫にも目を向けてみてくださいね~~楽しいです。

2020年4月20日月曜日

オオミズスマシ

昨日は暖かったので、散歩に行ってきたわけですが、またもやかっちょいい水生昆虫を発見してしまいました。
そやつがこちら。

オオミズスマシ Dineutus orientalis

はい、かっこいい~

ミズスマシってだけでテンションあがるのに黄色い縁取りされちゃったらそんなのもう最高に決まっています。ミズスマシなので高速でくるくるします。驚けば水に潜ります。

ちょっと上から
なぜ上から見せようとしたのにこんな中途半端なアングルなのか。

大きい個体は10mmを超す比較的大型のミズスマシで、上翅にトゲ状突起があるのも大変素敵です。主に止水域に生息するミズスマシのなかでは最も目にする機会が多いと思われますが、他のミズスマシ類の例にもれず全国的には減少傾向です。かつては身近だったミズスマシも今ではかなり少なくなってしまったようです。一説にはミズスマシが浮いて生活するということから、農薬にも含まれる界面活性剤の成分がミズスマシ類に深刻なダメージを与えているともいわれています。
今見つけた産地では、十個体以上が同時に見られましたが、下の写真の枯れ草が浮いているような一面でしか発見できず、なおかつこの池は隣を流れる川から時と場合によって水が流入する調整池で、カダヤシやウシガエル、ライギョなどが生息し大変なことになっている水場ですので、今後も継続的に様子を見ていこうと思います。

オオミズスマシがいた池

2020年4月15日水曜日

びっくり

近所を散歩(最近通っている家から徒歩十分の水場)して、帰ろうと思ったらすんげえ雰囲気のアメンボを発見してしまい二度見。

こ、この輝きは…!!!

はい、というわけで白バック!

エサキアメンボ Limnoporus esakii

んほおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
かっちょえええええええええええ!!

別の環境の良い場所で見かける種類なのでこんなに近くにいたのは感激です。
シュッとしたスマートな体型、体側面の銀色、背面の茶褐色とカッコイイポイントが凝縮されております。ヨシやガマが生えまくっているような止水域で見ることが出来ます。大きさは8~10mm程度で、小さめです。
我が県では2019年時点でレッドリストのBランク(重要保護生物)に指定され、環境省からも準絶滅危惧種(NT)に指定されています。
国内での分布は広いですが生息地は局所的で、ヨシ原などの減少により人知れず姿を消している種だと思います。
その独特の雰囲気から野外でも慣れればパッと同定は可能だと思いますが確実に見分けるには触角の第四節が一番長いことを確認します。

目が合った

アメンボという生き物の知名度は圧倒的ですが、なかなかこう色んな種類がいてこういう種類が減っているんだとうことは認知されていませんよね…この記事で「エサキアメンボかっけえ!!探してみよ!!」てなる人が増えてくれれば幸いですが…
当ブログの読者様はもうすでに知ってる方が七割ぐらいいると思う
まあすでにご存じの方は周りに「エサキアメンボってかっけえんだぞ」って言いふらしましょうよ。あ、アメンボに限らず水生昆虫全般で。


オマケ。目の前を泳いできた、

キイロヒラタガムシ Enochrus simulans

こちらは各地に普通です。浅い湿地によくいます。5mm前後のガムシ。すんげえ素敵ですよこのカラーリング。泳ぎ方はキベリヒラタよりゆったりしているイメージ。
超かわいい。

2020年4月14日火曜日

水場を造成

遠出できないご時世ですので、許可を得て庭に池というかビオトープというか湿地帯を造成することにしました。あと僕がこの家に何年いるのかは別として本気でやりたいと思います。

ここを整理してとのことです

数時間後

な ん と い う こ と で し ょ う
(例のBGMが流れる)

匠の手によってあれだけ生い茂っていた植物たちがあらかた抜かれ整地が完了されされました。
別にあの番組見てねぇけど


えーと、こっから写真撮り忘れてたんですけど、ここに水がたまるような容器を埋めましてですね、ガッチガチに周りを土で固めて、

こうなりました。今朝(2020年4月12日)です。

手前は浅く、奥は深くなっています。
 この翌日雨が降りましたが、目立った崩れなどはなく大丈夫そうです。ここ、どうやら元沼地だったところを埋め立てて住宅地にした土地で、水はけが大変悪いです。まあこういうのつくるのには好都合説ありますね。

こちらは造成二日目(2020年4月14日)の様子

こちらは少し深いほう

水が澄んできました。まだ抽水植物とか植えていないので茶色ばっかりですが、持ってくる場合は近所の(徒歩五分)水場から持ってきたいと思います。
生き物は飛んでくるのを待ちます。超小さい水場なのでどうかは分かりませんがチビゲンやケシカタビロアメンボぐらいは飛んできてほしいですね。
また進展ありましたら報告しますね。

2020年4月7日火曜日

散歩と八本脚

たまには陸の虫の記事もと思いましたが、散歩していたら八本脚のクモ(ハエトリ)が可愛すぎて、彼らばっか見てしまいましたので今回は実質的にクモ記事となります。ハエトリグモ観察には手すりが良いので手すりみながら歩いていましたがほんとに簡単に種類が見られるんですよ。なおクモに関しては素人なので誤同定あるかもしれません。その際はご教示ください。

マミジロハエトリ(Evarcha albaria)♀かな。
ネコハエトリだそうです


シラヒゲハエトリ(Menemerus fulvus)♀

シラヒゲハエトリは日当たりのいいこの柵で非常によく見かけました。大型でバリバリに大きめの双翅目を食べていました。

一方葉っぱの上では。

ネコハエトリ(Carrhotus xanthogramma)♀かなァ

ごめんなさい食事中でしたか。

カワラヒワ(Chloris sinica)

カワラヒワ君もいい色しております。かわいい。
 場所を少し変えて。

ネコハエトリ♂

メスと全然フォルムも色違うんですねネコハエトリ。

さて、本日の「こやつがわからない」なにそれ

イナズマハエトリ(Pseudicius vulpes)♀????
↑追記:イナズマハエトリで正解だそうです

でしょうか…正直かなり怪しいので有識者のかたいらっしゃいましたらご一報ください。

え~こっちは…

チャイロアサヒハエトリ(Phintella abnormis

でしょうか…

Rhene属(カラスハエトリの仲間)♀
カラスハエトリかヒメカラスハエトリなんでしょうけど…

こちらも上と同様の属の♂

まーカラスハエトリという気はするんですけど…この個体は腹部の毛が抜けまくっています。
追記:上の二枚、どちらもカラスハエトリでよさそうとのことでした。
同定に関してはツイッター上でご教示頂きました。ありがとうございました。

6本脚勢

ナナフシモドキ(Ramulus mikado)の幼虫

この時期の風物詩といっても過言ではなさそうなゆらゆらしたナナフシモドキの幼虫。手すり上に三個体ほどみられました。和名にモドキがついていますが、ちゃんとナナフシです。というか最も普通なナナフシだと思います。

デーニッツハエトリ(Plexippoides doenitzi)♂

そいうえばこのハエトリよく見る気がしますがデーニッツハエトリなんですね。覚えておこう。

帰り際、エナガの声がしたので写真撮りました。

エナガ(Aegithalos caudatus

はい、今日もカワイイ。
気づいた方いらっしゃると思いますがこの個体、眉毛模様がうすいですね。これ、俗にいうチバエナガというやつで、千葉北西部を中心の観察されている、亜種シマエナガ風なエナガです。もっとシマエナガっぽい個体も撮影地近辺にはいるんですが、今回の個体はノーマル個体より少し眉毛薄めって感じですね。今のところ別に亜種というわけではございせん、そういう個体がいるっていうだけです。最近は目撃情報が南のほうに広がっているようですが…

というわけで散歩レポートでした。ハエトリグモ&関東の方はチバエナガ探し、やってみてはいかがでしょうか。

2020年4月4日土曜日

「身近」を見直す

先日訪れた自転車で五分でいける水場にまたいってきました。ミズカマキリ君のエサほしくてですね。まあ勿論エサ採りだけで終わるはずもなく、水生昆虫も見てきました。俗にいう普通種ばかりでしたが、白バックモドキ撮って無い種がいたので紹介だけしますね。

マメゲンゴロウ(Agabus japonicus

はい、なぜか写真撮っていなかったマメゲンゴロウです。日本産ゲンゴロウでも再普通種といえるほどよく見かける種だと思います。(南西諸島では違いますかね。)大変にかわいいです。頭部に赤い紋があって、それが平安貴族のあの眉毛みたいに見えるので麻呂眉と呼んでいたりします。ほんとに色んな水場にいますよね。マメゲン。

キベリヒラタガムシ(Enochrus japonicus

こちらも普通種。キベリヒラタガムシです。名前の通り縁が黄色いですね。今日はコツブゲンゴロウやマメゲンゴロウが多数見られたのに対して、キベリは一個体でした。マメゲンゴロウより少し小さいぐらいで、僕のカメラでもなんとか撮れるレベルです。もう写真見て頂ければわかるんですが、


泳ぎ方がゲンゴロウより洗練されてないので泳いでる最中の写真を撮るとわちゃわちゃ感がすごいの最高ですよね。隠し切れないわちゃわちゃ感。泳ぎが下手ともいいます
 なおこのキベリヒラタガムシや近縁のオオヒラタガムシなど、ヒラタガムシ属は分類学的に課題が残っているようで、現在も研究が行われているようです。

最後は、

ヒメアメンボ(Gerris latiabdominis

はいこちらも普通種のヒメアメンボです。名前の通りアメンボ(ナミアメンボ)より小さいです。アメンボとは属から違いまして、むこうがアメンボ属なのに対してヒメのほうはヒメアメンボ属です。ヒメアメンボも日本産アメンボでは最普通といってもいいような種です。いやーヒメアメンボもいっつも「なんだヒメアメンボか」で済ませちゃうんですけど、じっくりみたらメッチャかっこいいですね!!!ああああ。
絶妙な褐色が最高。
この個体は後脚の一部が欠損しておりますが、あまり泳ぎには問題ないようです。アメンボの白バックいいなぁ。非常にかっこいです。これは他種でも撮りたくなりますね。

というわけで普通種三種でした。コロナのお陰で遠出はできませんが、逆にこういう身近な生き物をじっくりみるいい機会になりますね!!

2020年4月2日木曜日

水際

いやーコロナのお陰で遠征という遠征はオールキャンセルですよまったく。三密でしたっけ。あれを避けて近場をうろちょろするしかないですね。幸い生き物探すような場所は密の字は「生き物の密度すごくね?!」みたいなことでしか使わないですし助かります。

昨日雨すごくてびちゃびちゃ 

今回の記事、ゲンゴロウやガムシじゃなくて今日見つけた数種の水際の虫達の写真をのっけて見ようと思います。たまにはね。視野広げてみましょう。っても全然詳しくないので、種名まで落とし込めていません。おい。  
水生昆虫のほうは、コツブゲンゴロウ、マメゲンゴロウ、チビゲンゴロウ、ヒメアメンボを確認しました。普通種が普通にいるのはいいことです。浅いところが大半なので今度もっと取り回しの良い網を持ってきてしっかりやりたいです。

それでは水際勢を。

十中八九、ミズギワカメムシ(Saldula saltatoria

これはかっこいいですね~~~!!
ミズギワカメムシ科にもまあ色々あるみたいなんですがこやつは名前になにもつかないミズギワカメムシでよさそうです。角度によって青が出たり非常に美しい。「ミズギワカメムシの類」というくくりでその存在は知っていましたし、田んぼや湿地でよくみかけてはいましたが、じっくりみるとここまでイケている虫だとは!!見てみるもんですね。カメラ向けるとすぐ飛んじゃいました。短距離を飛んで移動してました。撮影難しい。

メダカハネカクシの類(中央下)とカマバエ(?)の一種(中央やや右上)
ガバガバ同定

もうぱっと調べただけでメダカハネカクシの方は漂い出る魔界感があったので思考をやめました。双翅目なんかもうほんとにわかんないです。ゆるして。は?

追記:カマバエの一種かと思っていましたがtwitter上でミギワバエではないかとご教示いただきました。違和感が払拭されました。ありがとうございます。またひとつ賢くなりました。

メダカハネカクシもこれ角度によっては青く見えたりして非常にかっちょいいです。カマバエはなんたって前脚がカマなんだからかっこいいに決まっています。鎌ついてたらかっこいいにきまってるだろ!!!

他にもユスリカとかなんかいっぱいいましたが写真撮り損ねました。は?

というわけで個人的には普段あまりしっかりみない生き物を見てみたら素晴らしかったですというお話でした。
水中も水際も楽しいですね。