2021年8月1日日曜日

奄美個人的水昆3選

 先日奄美+徳之島・沖縄(やんばる・西表島)の世界自然遺産登録が決定しましたね。おめでとうございます。イチ虫屋としてまあいろいろ不安はありますが、ここは世界の宝となったということで嬉しく思います。今後の採集の規制の動向など、注視していきたいと思います。なんでちょっと上から目線なのコイツ。
今回指定された徳之島以外は一度は行っているんですが、個人的にやはり思い入れが深いのは奄美大島です。いやーもうほんとに、とんでもなく良い島なので、なんども行きたくなってしまって大変です。もはや中毒。

ところで奄美というと思い浮かべるメジャーな生き物といえば、まあやっぱり、アマミノクロウサギとかルリカケスですよね。僕も初奄美の際は絶対に見たいと意気込んでいました。到着初日にどっちも見れて拍子抜けしたのはいい思い出
あとはアマミヤマシギとか、アマミイシカワガエルとかですかね有名どころは。名前をあげた面子は全国民是非一生に一度は見ておくべきだと思いますマジで。感動するので。だからなんでちょっと上からなのコイツ。

でも!!奄美にい魅力的な生き物はアマクロやルリカケスだけじゃないんですよ!!ということは知って頂きたい!!!
というわけで今回はちっせえけど超魅力的、知っていると今後奄美へ行く際、そして奄美に在住だという方も世界の見え方が変わるかもしれない超個人的に選定した水生昆虫を三種軽~くご紹介いたします。

その① リュウキュウマルガムシ Hydrocassis jengi

アイドルであるリュウキュウマルガムシさん。奄美大島にしかいません。奄美大島のみです。だいたい7mmぐらいですかね。一見真っ黒の甲虫なんですが、よく見ると上翅の点刻が美しく、黒く見える体色も角度によって紫っぽく見えたり深緑にみえたりする素敵仕様。
んでとにかくおそろしくいちいちの動きがカワイイです。なんかズルいタイプ。ゆるキャラ枠だと思います。流水の虫で河川の落ち葉のたまったとことかにいます。以前あのシリケンイモリがうじゃうじゃしている側溝でも採ったことが有ります。この種は写真だと魅力が伝わり辛いので是非実物を見て頂きたいところです。

その② アマミコチビミズムシ Micronecta japonica


はい。素敵です。もう絶対好きになっちゃうタイプの配色。でもサイズは2mmないぐらい。そのサイズでも目が慣れてしまえばその存在感は配色もあいまって圧倒的です。

野外のアマミコチビ

こちらも流水の虫で、すごい数が群れていることもしばしば。奄美大島、徳之島に分布します。川の流れがゆるやかになっている岸付近を凝視していると見つかりますヨ。とにもかくにもちっさいですけど、前述の通りの存在感です。最高。

その③ エグリタマミズムシ Heterotrephes admorsus


あああああああああああああああああああああ

最後はこの方。エグリタマミズムシです。タマミズムシ科は国内からはただ一種、本種のみが奄美群島から知られます。まさに奄美の清流を象徴するような水生昆虫です。この独特の顔つきがすでに最高です。2mmちょっとのサイズ感。アマミコチビより少し大きいです。アマミコチビと一緒に見られることも多い気がします。形態も非常に特異で、なんと頭部と胸部が半融合しているという学校で習う常識を軽く壊しに来ているような虫です。川岸の流れがゆっくりで植物の根が水で洗われているところにいます。カラーリングも特徴的ですが、動きも逆さ泳ぎで見ていて飽きません。


幼虫もびっくりするぐらいキュート。黒と黄色がはっきりしています。(写真中央よりやや右側でこっちを向いています。)もうとにかくなんかこう最高なので語彙力の死奄美で生き物を探す際には是非とも見て頂きたい種です。

というわけで個人的な水昆3選でした。いずれも流水性の種になってしまいましたが、これ以外にも魅力的な小さな生き物たちは多く存在します。これは奄美徳之島に限らずやんばるや西表でもいえることです。今後世界自然遺産をきっかけに行ってみようという方が増えるとは思いますが、メジャーな生き物だけではなくこういった生き物たちにも目を向けると一層楽しいのではないかと思います。

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