2018年9月30日日曜日

オキスジ

先日の奄美で採ったオキナワスジゲンゴロウ(以下オキスジ)の標本ができまちた。


オキナワスジゲンゴロウ(Hydatics vittatus)
※ラベルの採集地書いてある部分が若干見えていたので加工しました

こちらの技量的に非常にお見苦しい標本ですが、それをはねのけるカッコよさ。


なにこのカッコよさ

これは個人的かっこいいゲンゴロウランキングでも相当上位にランクイン。誰も聞いてない
オキスジはトカラより南(というか西というか)に生息するゲンゴロウで、体長は14mmほど。同じ属のシマゲンと同じか少し小さいぐらいでしょうか。コシマよりはデカい。
本州にもよく似ているスジゲンゴロウHydaticus satoi)が生息していたようですが、近年の採集記録はなく環境省レッドリストでは絶滅(EX)とされています。(海外には同種が生息しています。)
そしてやはりですがオキスジの方も減少傾向にあり、沖縄本島では少ないようです。理由はいつもの生息地改変等。奄美では水草のよく繁茂した池で見られました。こんなかっこいい生き物が見られなくなるのはあまりにも悲しい。そもそもこの生き物が世間に知られていない!まずは知ってもらわないと始まらない!というわけで今回のこの記事が少しでも布教に役立つことを願って今回は終了です。


2018年9月27日木曜日

南の島遠征記最終回

とうとう最終日。
っても昼には飛行機が飛ぶのでそんなに時間があるわけでもなくですね…

イシガケチョウ(Cyrestis thyodamas)のお子様

お子様のお顔。
好き。

オキナワキノボリトカゲ(Japalura polygonata)

そういえばキノボリトカゲは写真撮って無かったなあ。恐竜感。

ぼちぼち空港に向かうことに。

奇麗な海だなあ(感傷)
こいつ最終日にやっとまともな風景だしやがった!

あゝ、日常に戻されてしまう。さらばだ奄美大島。また来るぞ奄美…

奄美は中毒性が高い気がします。次回は今回見逃した鳥とオキスジを生きて持って帰らねば。






帰宅後…
太ももにかさぶたみたいなのがあるのを発見。まあ虫刺されの跡でしょうなあ…

ん? 





!?

なんかこれ足生えてるぞなんだこれ…

うわああああああああああああああああああ

犯人:マダニ

残念ながらきれいに口器ごと抜けましたのでご安心を。
奄美からの土産にマダニが追加されまして終了。マダニ写真で奄美記事が実質終了する暴挙。
見られた生き物のまとめ記事ぐらいは書くかも。



2018年9月25日火曜日

南の島遠征記4日目

4日目の朝到来。ボクは燃えていました。昨晩の池でゲンゴロウを、南方系のゲンゴロウを採ってえへへへへと気持ち悪く笑うのだと。
と意気込んでいたらあるヘビが出たらしいので向かってみることに。

ヒャン(Sinomicrurus japonics)

ヒャンキターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

コブラ科やぞ!

ああなんて素晴らしいヘビなんだ…。最高ですよ。毒はあるようですが口が小さいこともあり、今のところ咬傷例はないそうです。

朝早くからいいもの見たわ~と思いつつ昨晩の池へ行けることになったのでいざ決戦へ。

いい感じに湿っておるぞ~

午前中時間を使って採れることになったのでガサガサ開始。トラップも持ってくればよかった…
二時間後…

えへへへへへへへ

左からトビイロ、オキナワスジ、コガタノという豪華三点盛り。
へへへへへへへへへへへへへへへ… きもいぞ。
狙ってたポイントで採れるのは嬉しいなあ…ぐへへへへへへへ


※オキナワスジゲンゴロウはこの翌日残念ながら亡くなってしまったため現在標本を製作中です。また完成したら個別で記事を書きます。我が家の水槽で泳ぐのが見たかった…


コガタノゲンゴロウ(Cybister tripunctatus)

コガタノ君お顔。
んんんんんんんんんんんんんんんん

コガタノゲンゴロウ…体長は25mm~29mm程。
本州にも生息しているものの数が激減している。しかし九州や南西諸島では比較的普通に見られるらしい。最近個体数が増えてきているらしく、今後のコガタノの動向に注目。


トビイロゲンゴロウ(Cybister sugillatus)
かっこよさのかたまり
トビイロゲンゴロウ…体長18mm~25mm程。こちらは日本では九州より西にいかないとお目にかかれない。クロゲンの南の島ver.といった感じで姿形も似ている。前胸背と上翅の側部が少しオレンジ色になるが、個体によってはこの色は消失したりするらしい。


いいぞおおおいいぞおおおおおおおおおおおおおおお楽しいぞおおお良い、良いぞおおおおおおおおおお
あとしれっとめっちゃかわいいシャープツブゲンゴロウっぽいのも採れてました。(要同定)

とかいってるともう昼時に。個体数が多くなかったのは残念ですがこの三種類が見られたのでヨシ!そのまま午後は海へ。
タイドプールとか見て回ってたら

イカリナマコの類でしょうなあ

とか、


めっちゃかわいいカニさん。

辺りの登場以外はあまりフレッシュな生き物の登場はなく4日目終了。残されたのはあと半日。ゲンゴロウが採れたからもう満足なのだ!






2018年9月24日月曜日

南の島遠征記3日目

三日目は海へ向かってみることに。

まあ鳥も見れるしアシブトメミズムシも狙おうと流木の下とか見て回ったんですが発見できず…。餌になってるハズのダンゴムシやらワラジムシもいたんですがねえ…雑魚の本領発揮

そのかわりどこかでみたことのある生き物が出てきました。
脈翅だなあ…

なんとかウスバカゲロウの幼虫

これ、海浜性ってことですよね…興味深いなぁ興味深いぞお!
ちょっとしっかり調べたいなあ。


ヤドカリ氏。
ヤドカリに関しての知識はゼロです。
なんとかオカヤドカリやろ。今回雑。
あ、そういえばこいつら天然記念物か。

海岸へ入る道

結局見られた鳥は
セイタカシギ(きれい)
キョウジョシギ(かわいい)
メダイチドリ(かわいい)
シロチドリ(かわいい)
ムナグロ(かわいい)
ダイゼン(かわいい)
セッカ(かわいい)
クロサギ(くろい)白色型もいたけど。

種類数は多くないけど軒並みかわいいやつらがみれたので満足。

宿への帰り道。
道路にニョロニョロしたもの発見。


リュウキュウアオヘビ(Cyclophiops semicarinatus)

そういえば初日の夜にロードキル個体を見て以来生きているのは見てませんでした。


凛々しいお顔。そしてこの体色。良い~

こんなところにいたらまた轢かれるぞ。藪にお帰り。誘導作業完了。(このあとヘビから恩返しが…ありません)


このあと夜間に前々から目をつけていたちょっとゲンゴロウが採れそうなポイントをアタックするもののライトがあっても水場の形状が把握できず、ウスイロシマゲンゴロウなら採れたぞ!って時にはもうヌカカに襲われまくっていて時間のこともありあえなく退散。
もういちど明日明るいうちに同じポイントを回るという野心を抱いて三日目終了。
次回、奄美ゲンゴロウ決戦!

2018年9月23日日曜日

南の島遠征記2日目

夜明けがやってきました。夜中の闇と全く違く見える奄美の姿。昼の生き物はどうなのか。探してみました。




リュウキュウハグロトンボ(Matrona basilaris japonica)
タイワンハグロトンボの琉球亜種なんですね。

リュウキュウハグロは個体数多いですね~。すごくきれいだとおもった。感想が
小学生


ル リ カ ケ ス
(Garrulus glandarius)
Q:ルリカケスの写真でもっとマシなのは無かったのですか?
A:無いです。ルリカケスってわかるからいいだろ。分からねえよ

アマミルリモントンボ(Coeliccia ryukyuensis amamii)

これまた可憐なトンボですこと。おほほほ。アマミルリモンもよく見た印象があります。

草地には…

タテハモドキ(Junonia almana)
奇麗だなあ

和名にモドキとつく生き物ってみるとテンションあがるのは僕だけ?


実はムラサキサギの若鳥も目撃したのですが写真は撮れーず。写真ないから信じられない?
信じてよぉ!←証拠がないのに信じられるか!


そうこうしてたらもう夜に。闇が来てしまった。
夜間の探査は楽しいなあと昨日も見た生き物たちを観察してトコトコ歩きます。
…………ん?



ハブ(Protobothrops flavoviridis)

うおおおおおおおおおおおおおおホンハブきたああああああ
かっこよすぎるだろ!最高かよ!んんんんクサリヘビ科~
ホンハブ君はこのあと目を合わせてきてすぐに藪に入っていってしまいました。

ホンハブ最高っすね。
こうしてテンションが最高潮のまま二日目終了。寝不足なのは言うまでもない。

2018年9月22日土曜日

南の島遠征記1日目

ここから何回かの記事は南の島で見た生き物のお話になります。いつものようにクソみたいな写真でお送りします。カメラ買え

A美O島に到着したのは夕方でした。そこから宿に着いたときには外は真っ暗に。街灯一つない闇です。ライトが無いと間違いなくやっていけないこの状況からもうこの島はヤバいとなんとなく気づいてしまいます。この日はもう林道をトコトコ歩いて生き物を探すことにしました。

まず目に入ってきたのは…

アマミサソリモドキ(Typopeltis stimpsonii)
かっこえええええええ!ビネガロンとも言われるぐらいだからやっぱりお酢のにおいがするんでしょう。触ってみよう。

ビネガロンつんつん男爆誕 

くせえ。お酢くせえ。こいつよくみたらむちゃくちゃいっぱいいるし。もう満足です。

ここでカエルが登場。


オットンガエル(Rana subaspera)
超かわいいいいいいいいいいんんんんんん。
肢短い。ずんぐり。最高。
その後も続々と見つかる生き物たち。

謎コウガイビル。南国感。

ヒメハブ(Ovophis okinavensis)
いいねえええヒメハブいいねえええ。胴体短いよね。
樹上には猛禽の気配。

リュウキュウコノハズク(Otus elegans)
写真がヒドイ
リュウキュウコノハズクもふもふ。こっち見てきてた。だばだば。かっこいいとかわいいを両立する鳥。頭おかしくなりそう。

アカマタ(Dinodon semicarinatum)
無毒。すごい咬むけど。

アマミシリケンイモリ(Cynops ensicauda ensicauda)
写真中央。

オキナワカラスアゲハでいいのこれ?有識者の方ー
そーびゅーてぃほー

アマミハナサキガエル(Rana amamiensis)
学名にamamiが入ってるじゃん!

アマミイシカワガエル(Odorrana splendida)
こんな美麗なカエルが生息している地球マジ神

まあこんな感じで大興奮のまま初日終了。紹介しきれていない生き物も残って居ますが。生き物が素晴らしすぎて語彙力が無くなる島ですね。(意味不明)

2018年9月16日日曜日

ナミゲン羽化


南の島(A美O島)から帰ってきました。その話はまた今度じっくり書きますね。
帰ってきてナミゲン君がどうなったか覗きましたらですね、

キターーーーーーー

うっひょおおおおおほほほほほほほほほほほほ羽化してんじゃあああん


んんんん奇麗いいいいいいいいい

飛び出して来るのが待ちきれない。ドキドキ

2018年9月7日金曜日

しまげんがいっぱい

シマゲンを見に行ってきました。
なんだかモズが高鳴きなんかしちゃって僕の中では今日から秋になりました。
※僕のなかでは春=ウグイスが鳴いたら、夏=セミが鳴いたら、秋=モズが鳴いたら、冬=ツグミがきたら というクソ適当な季節感となっております。

水路についてガサガサしたら秒で採れました。時期的にも新成虫の季節かな?数はすごく多くちょっと安心。ここはアメザリ君もいるところなので。

めちゃくちゃいたシマゲンゴロウ(Hydaticus bowringii)
相変わらずカッコええぞシマゲエエエン!

マツモムシ(Notonecta triguttata)も滅茶苦茶いた。

あとはこの水路で入ったのはマメガムシとチビゲンゴロウとか。そういえばタイコウチとツブゲンゴロウは見えずでした。
あとオオイトトンボがいたのは個人的には嬉しかったですぞ。(ちゃんと採って同定したんですよお!信じてよお!)
田んぼの水が残っているところにはコシマゲンゴロウとヒメゲンゴロウとハイイイロゲンゴロウという普通種勢もしっかり居ました。ハイイロゲン君は動きがわちゃわちゃしすぎてて遠くからでも分かりますよね。

息継ぎ中のシマゲン(写真中央)


しまげんをいっぱいみることができてたのしかったです



2018年9月6日木曜日

羽化不全の全貌

クロゲン君が蛹室から出てきました。

ハーイ


なるほど。こりゃ蛹の皮がパージしきれてませんね。そういうことだったのか。
めちゃくちゃ元気で安心しましたが果たして泳ぎはどうなのか。

巨大ミズスマシ降臨

なんかバリバリ泳げてますねえ。この皮は腹部としっかりくっついているようで、切っても大丈夫そうなところはハサミでオペして取りました。
普通羽化して直後から数日間は上の写真のように潜れずにプカプカしてるイメージなのですがこいつは水に浮かべてから十五分ぐらいで普通に潜っててビビりました。もっと浮いている期間は長いイメージなんですが、僕の気のせいですかね?なにせ雑魚なので。


2018年9月4日火曜日

クロゲン羽化&ナミゲン蛹化

8/27に蛹化確認のクロゲン君が羽化しました。(早いなあ)
が、
ん?

 これ後翅(固い翅の下に格納されてる翅)が伸びきってませんよね?有識者の方~
今のところこれ以外に異常は見られませんがここに支障がでると呼吸に影響が出たりはするのだろうか。少なくとも飛行に支障は出ますよね。
んんん…この不全が出たのがあのナミゲン幼虫かと思ったらクロゲン終齢だった事案のせいだったのなら…(全く根拠はありませんけど。)うわああん。

くっそ見辛ぇ

時間が経過して黒くなりましたが後翅はしっかり伸びきっていません。
ここから自力で地上に出てきた時どうなるのか。それはまた後日。

一方嬉しいニュースも。


あ、どうも
ナミゲンが蛹化しました。
上陸は8/27。
クロゲンと比べてやはりサイズでかし。羽化不全とか起こしたら泣く。