2020年12月31日木曜日

2020を振り返る

 前回の投稿からしばらく空いてしまいましたが、年内最後の更新です。
IROMT の話、まだ終わっていませんが今回はいったん振り返り。いやーーまさか未知のウイルスと人類が闘う年になるとは思っていませんでした。お陰で三月末に予定していた諸々の遠征が中止になり、キレ散らかしておりました。こちとらストレスからなのか帯状疱疹出たんやぞ
ともかく、そんな一年でしたから基本的には近場を見直すという年になったわけです。下火になったタイミングで少し遠出もしましたけどね。幸いこの趣味は密にはなりえない場所で黙々とやることになるので、近場であればあまり自粛する必要はないことがほんとに助かりました。(勿論近場での話ですが)フィールドに出ることさえ封じられていれば精神が崩壊し人でなくなっていたかもしれません。今年一年は生き物をやっていてよかったと心から思える年であったことも確かです。それから今年は水生半翅の沼にがっつりハマった年でもありました。それまで水生甲虫がメインで、半翅は認識はしてるけど「あんまり手ださんとこ。」だったのですが地元の水生昆虫を全般的に見ていたらまあこの半翅が面白いわけです。特にアメンボと名がつく虫を追っかけておりましたが幸運なことに今のところちょっとここには大声で書けないような出会いがあったりもしました。そんなわけでこの記事では嬉しかった生き物との出会いをごく簡単に振り返ります。

虫だけでなく鳥からも一種いきましょう。

オオカラモズ Lanius sphenocercus

コロナがちらほら国内でも出始めたころでしょうか。割と近所にオオカラモズが入ったという一報を聞きつけ見に行きました。カメラマンも沢山いるという前情報で普段はあんまりそういう場所には行きたくないタイプですが、なにせ相手が図鑑で憧れていたオオカラモズということもあり駆けつけたのでした。その大きさとセンスが良すぎるカラーリング、そしてなによりもカッコよさに感動でした。

これ以降クソコロナのお陰で地元の水場を見つめなおす機会がかなり増えます。

オオミズスマシ Dineutus orientalis

まずはえーー!!近場にいたんかい!!というオオミズスマシ。春先に見つけた水場でしたが、よく見たら水面をくるくるするなにかがいたわけです。ミズスマシの仲間は減少中ですし、ほんとに徒歩五分ぐらいのところにいるというのは嬉しい限りでした。繁殖チャレンジしましたがエサ問題でうまくいかず。来年はリベンジしたいところです。

エサキアメンボ Limnoporus esakii

こちらも嬉しかった地元の虫。エサキアメンボです。種の存在自体は知っており、前々から見たことのある種でしたが地元で見つかりじっくり見てみたら恐ろしくカッコイイ虫であることに気付いてしまいました。結局この夏地元からは二か所産地を見つけることができました。

遠洋性ウミアメンボ達

そしてこちらは今年イチの出来事と言っても良いと思います。県内での遠洋性ウミアメンボ三種のコンプリートです。大量に漂着していたことも嬉しかったですがなによりここには流れてきているだろうという読みが当たったことが嬉しかったです。当時の超ハイテンション記事はこちら

オウサマゲンゴロウモドキ Dytiscus latissimus

夏にはふれあい昆虫館にもお邪魔しました。オウサマゲンゴロウモドキをはじめとしてスジゲンゴロウやタイワンオオミズスマシ、トゲアシアメンボ、マルコガタノゲンゴロウなどマニアックすぎる展示が大変に刺さりました。オウサマゲンモはめちゃくちゃカッコイイし。次はマスクなんかしなくても行けるタイミングで行きたいと思います。当時の記事はこちら

コバンムシ Ilyocoris cimicoides exclamationis


コロナ下火感があった時期のプチ東北遠征の最大の成果であるコバンムシ。グリーンが美しすぎる個人的日本産水生半翅の最高峰。来シーズン繁殖させまっせ!!こちら

タカラナガレカタビロアメンボ Pseudovelia takarai

最後はギリ滑り込み感があった某所への調査同行。知人が偶然採ってきてくれてからというもの一目惚れしたタカラナガレカタビロアメンボの採集が実現。この上なくカッコイイカタビロを採集でき幸福なり。

という一年でございました。思い通りにいかないことが多々あったことは確かですが、いかに自分が地元の水生昆虫を把握していなかったのかということを痛感した一年であったと思います。また今年は一人で採集も多かったですが、お誘い頂いてフィールドに出たこともありました。来年もコロナ的にどうなるかはわかりませんが、機会あれば誘い誘われで宜しくお願いいたします。また当クソブログを覗きに来ていただいたすべての方に感謝いたします。ありがとうございました。それでは皆様良いお年を。






2020年12月20日日曜日

IROMTの水生昆虫 その4

 少し間が空いてしましまいましたが、第四弾。今回はカタビロアメンボ科から。

タカラナガレカタビロアメンボ Pseudovelia takarai

はい、出ました。先日この記事で紹介し一発で虜になってしまったカタビロです。もう恋
タカラナガレはISGK島・IROMT島からしか記録がありません。大きさは本州のナガレとそこまで変わりませんが、メスもオスもスリムな体型です。とにかく赤いので見分けは割と簡単なんじゃないかと思っています。もう一種同属のヒラシマナガレという種がいてこやつは分布域が被っていますが今回は採集できませんでした。敗☆北
いや~これだけは採らんと帰れないという気でいましたが沢の淀みで割と普通に見られました。(勿論見つけた時は大変に興奮しました。)いやまあもう動いているのを見られただけで感動。
しかしまあこんな酷い上の白バックモドキ写真でもわかるかっちょよさ。飼育下でルーペにスマホくっつけて撮った写真があるのでそっちをどうぞ。


ほわあああああおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
神です。最高ですか。絶妙な赤さ。国宝。あ~~~~~


~語彙力が低下したのでおしまい~
なんだこの記事

2020年12月15日火曜日

風物詩

 今日は水昆じゃなくてちょこっと鳥の話題です。突然ブレる記事!!当ブログクオリティ!
先日近所を通ったのでもう来てるやろと探してみたら。

コクマルガラス Corvus dauuricus
ミヤマガラス Corvus frugilegus
属名のカッコイイ感じ。去年も言った気がする

いた。
いぶ遠くからでも群れてるの見えるし近づいたらキョンキョン鳴いてるしで田園風景での存在感はすごいです。今冬も見られる安心感。コクマルは全くちゃんと数えていませんがまあ最低20羽はいたでしょう。パンダタイプもちょくちょくいました。コクマルはホントにサイズ感が可愛すぎるのですよ。ミヤマはミヤマで嘴の付け根が目立つ感じとか好きです。ていうかカラスって全員かっこいいんじゃ。
というわけでミヤマコクマル組の皆様、今冬もちょくちょく会いに来ますのでよろしく~

オマケ。

最近宇宙関連のほうで名前をよく聞くHAYABUSA

はるか上空を飛んでいたハヤブサ。なんかハヤブサ久々に見ました。かっこいいゼ!!

2020年12月10日木曜日

IROMTの水生昆虫 その3

 今日は大きなヤツで行きましょう。

コガタガムシ Hydrophilus bilineatus caschmirensis

か”わ”い”い”!!
この角度睨まれているように見えるのたまらないですね。ヘンタイ性の高いコメント
コガタガムシさんにご登場いただきました。大きさは25mm前後。でっかいです。写真だけで見るともっと大きい無印ガムシと変わらない見た目ですね。今回は休耕田で一個体だけ泳いでいるものを採集できました。分布自体は本州~南西諸島なんですが、本州では激減しているようで採集は難しいと思われます。絶滅危惧Ⅱ類(VU)なので、沢山採るのはやめましょう。今回採った休耕田(許可有り)は後々紹介する他のゲンゴロウや水生半翅も非常に多く見られました。素晴らしすぎて死ぬかと思いました。逆にいえばああいう環境が過去には沢山あったのかと思うと心が痛かったりもします。

はい、話を戻しましょう。コガタガムシの特徴はガムシのガ(牙)。

ガムシのガ(牙)!

後胸腹板にあるトゲ(ガムシの牙)が非常に長いんですね~カッコイイポイント一億点。サイズ感で無印ガムシと見分けられますが、困ったらここを見れば一発というわけです。(ちなみに無印ガムシは後脚の付け根よりちょっと長いぐらいです)
というわけで主に南の島で大きいガムシが泳いでいたら腹面をチェックだァ!!
しかしこの手の大きいガムシ、めっちゃ撮影が難しいです。前に記事にしたティッシュ戦法を使っても、つかんで落ち着いてはくれるのですが、浮力が大きいようでティッシュごと浮いてきてしまい上翅の一部が水面上に出てしまいます。今回の白バックはかなりマシに撮れた方です。なんか良い方法ないんでしょうか…

2020年12月6日日曜日

IROMTの水生昆虫 その2

 第二弾です。
今回は半翅目からです。

タイワンシマアメンボ

というわけでタイワンシマアメンボさんです。(写真の個体はオス)今回最も多く見かけたアメンボといっても過言ではなく、ある程度流量がある沢ではほぼ確実にみることができました。アトホシヒラタマメゲンゴロウがポットホールから採れた話は前回記事にもしましたが、規模の大きなポットホールなんかにはもういっぱいいました。うじゃうじゃ。あんなにいたのに現地での写真撮り損ねていますが。だって沢は結構暗いしタイワンシマ動き早いしロクに撮れないんだもん!
先日記事にしたシマアメンボとは背面の模様や、オスでは前脚腿節がタイワンは太くなることや、タイワンの方がシュっとしていてスリムな体型であることで見分けがつきます。そもそもタイワンと無印シマアメンボは分布が被ってはいないはずなので、沖縄本島以南でシマアメンボ属を見つけたらタイワンということになります。
あ、それと日本産のシマアメンボ属は無印シマアメンボと本種の二種のみになります。なのでそうなってくると並べてみたくなりますよね。なりますよね?え?ならない?


無印シマがメスでタイワンがオスだし、微妙に角度違うしでヒドイですが、まあシマアメンボ属が二種並んだというだけで…いいじゃないですか…かっちょいい虫たちですよ…

2020年12月1日火曜日

IROMTの水生昆虫 その1

 実はここ数日、こんなご時世ではありますが某島のほうに少し調査に出ていました。数か月前から企画自体はありましたが、直前になってコロナ感染者数が急増。今回は不要不急ではないということで決行しましたが、感染防止対策に加え、竹富町からの発熱が出たら連絡する」という旨の同意書やSMSによる一週間にわたる健康観察アンケートに参加し臨みました。はやくコロナを気にせず遠征が出来るようになる時代が来てほしいものです。

今回からは西表島で見ることができた水生昆虫をちょびちょび紹介していきます。
まずは秘宝ゲンゴロウから。

西表島には渓流にいくと写真に写っているような丸いポットホールと呼ばれる穴が沢山あいている場所があります。大きさは大小さまざまで、深さにも差があります。

ポットホールいっぱい
すごくよく滑ってこけた

こういう穴にはエビなどもいるんですが、いくつかの穴で素晴らしいのをみつけました…

秘宝兼国宝

当時の状況
同行者「○○(僕の名前)、多分これゲンゴロウだよね?」
ポットホールの水面でケシカタを見ていたぼく「まじで?」
同行者「黒くて白っぽい帯みたいなの入ってるわ」
僕「そ、それは!!」
「あああああああアトホシィィ!!」

アトホシヒラタマメゲンゴロウ  Plantynectes chujoi

超美麗種。

大きさは5~6mmほど。最初こそ同行者が見つけましたが、その後は別の落ち葉が堆積した浅いポットホールからも多くの個体を発見できました。面目キーープ
けっして大きくはないですが、その圧倒的なカッコよさは個人的には日本産ゲンゴロウのなかでもトップクラスだと思っています。八重山諸島にのみ分布し、上述のポットホールや染み出しなど流水域に生息しています。ポットホール内は薄暗く、今回はライトで照らして探しましたが、ライトにあたって輝くその姿には感動です。黒と白っぽく見えるこの上翅の帯と紋のコントラストが非常に美しく、見ていて飽きません。名前にマメゲンゴロウとありますが、マメゲンゴロウ属でもモンキマメゲンゴロウ属でもなく、ヒラタマメゲンゴロウ属で、国内では本属唯一の種となっています。

というわけで第一弾は秘宝アトホシでした。

2020年11月23日月曜日

Halobatinae

 先日河川のよどみでとあるアメンボを採集してきました。

シマアメンボ Metrocoris histrio

はい、シマアメンボです。割と知名度はあるほうなんじゃないですかね。体長はだいたい5-6mmぐらいです。まあアメンボは脚が長いから大きく見えますけどね。流水環境では普通に見られる種類なんですが、白バックを撮っていませんでした。今回採った場所ではアメンボと一緒に泳いでいましたよ。(また現地での写真撮り忘れました。良い加減にしろ)えーーと、どうでしょうか、模様がめっちゃしっかり入っていて派手ですよね。アメンボというと黒だとかグレーとかシックな色をしているイメージの方多いかもしれませんが、シマアメンボはわかりやすく模様が入っています。シマ…まあ確かにシマ模様にも見えますが、なんとなくトラに見える気もします。どっちでもいいっちゃいいんですけど。あとどうですか、池とかでよく目にするアメンボとフォルムだいぶ違いませんか。これ見て、「あ!!」と思った方は素直にすごい人で、あーーはいはい話題をそっちに持っていく気ね。って分かった方は察しが良すぎます。

アメンボ Aquarius paludum
雑すぎる写真

よく見かけるのは上の写真みたいなシュッとした体の細長いアメンボじゃないでしょうか。
シマアメンボとはだいぶ違いますねぇ。にしてもアメンボかっこいいな

じゃあ何に似てるかというと…

コガタウミアメンボ  Halobates sericeus

似てるでしょぉ???
でてくる秘蔵写真

それもそのはず、シマアメンボはウミアメンボ亜科なのですよ!!!ウミアメンボ亜科ですが淡水に暮らすタイプです。我々が普通に見る(ナミ)アメンボはアメンボ亜科です。
つまりシマアメンボはアメンボよりもウミアメンボに近い仲間ということになります。
今回シマアメンボはオスの写真を撮っていないのですが、オスの腹部もウミアメンボに近い形状です。ちなみにウミアメンボ亜科は腹部形状(特にオス)と、中脚・後脚の付け根のメカ感が興奮ポイントです。ヘンタイ性の高いコメント

シマアメンボ属は日本に二種しかおらず、本州で見られるものはこのシマアメンボだけ。よって本州の河川とかでやけに派手な模様のあるアメンボを見かけたらシマアメンボで確定です。(南西諸島の一部の島には別種のタイワンシマアメンボが生息しています。)
あと言い忘れておりました。シマアメンボにも長翅型がでます。長翅は長翅でカッコイイです。探してみてくださいネ。

2020年11月16日月曜日

南の島のセスジ

 ここのところ大変ありがたいことに南の島で採れたゲンゴロウをよく頂きます。(本当にありがとうございます。)大抵その中にはセスジゲンゴロウ属が入っていますが、基本リュウキュウかタイワンの二種です。せっかくなのでこの記事では南西諸島では普通に見ることが出来るこの二種の雄交尾器中央片を見ていくことにしたいと思います。

まあーまずは見た目をパパっと見ていきましょうか。

左がリュウキュウセスジゲンゴロウ Copelatus oblitus
右がタイワンセスジゲンゴロウ Copelatus tenebrosus

未展脚ですし写真もお粗末で申し訳ございません。なんだこれかすんでるぞ写真が
ご覧の通り体型も違いますし、色も違うのでなんとなくどっちがどっちかは分かってくるのですが、リュウキュウセスジは割と個体差が激しく、もっと上翅が黄色っぽい個体もいればだいぶ黒っぽい個体もいるので、迷ったときはやはり雄交尾器中央片を見てしまうのが手っ取り早いかと思います。

というわけでリュウキュウセスジの雄交尾器中央片です。

リュウキュウセスジ雄交尾器中央片

何回か過去にもこの中央片は紹介している気がします。Y字状になっており、非常に特徴的でわかりやすいです。この突起は果たしてどんな役割があるんでしょうか。謎。

それではもういっぽうのタイワンセスジ。

タイワンセスジ雄交尾器中央片
(写真中央のカーブしてるやつですヨ)

リュウキュウセスジに比べ大変シンプルでより細い印象を受けます。こっちはリュウキュウより先端等々細いせいか交尾器を抜いている時に折れないか心配になります。

こセスジゲンゴロウ属は見た目での同定が困難な種も多くいます。最初に述べた通り、見た目でなんとかなることもあるでしょうけども、この二種は南西諸島ではよく見かける種なので雄交尾器中央片の形状は覚えておいて損はなさそうですね。

2020年11月9日月曜日

続々到着

 本格的に冬が近づいてきた気がする昨今です。冬鳥が続々と到着していることに季節の流れを感じます。

ジョウビタキ Phoenicurus auroreus

んんんんジョビぃぃぃぃぃぃ!
今期もカワイイです本当にありがとうございます。助かります。
数週間前から声はしていましたが自宅のアンテナにきて鳴いておりやっと目にすることができました。こんなにアンテナが似合う鳥もなかなかいないんじゃないでしょうか。

近所の調整池にはカモたちも。

マガモ Anas platyrhynchos

相変わらず鮮烈な緑色です。毎年来るカモさんたちでもやはり会えると嬉しいものです。
マガモ・カルガモのなかにサイズ感が違うのがいたので確認してみると。

オシドリ Aix galericulata

計四個体(♂2♀2)みられました。しっかし雄は目立ちます。オスは勿論綺麗で良いんですが僕は割とメスのあのシックな感じが好きだったりします。オシドリは顔もカワイイですよね。今日は他にハシビロガモやコガモがごく少数みられました。
写真は撮れていませんがツグミもかなり来ています。飛来直後は木の上にいることが多いので姿は見辛いですが今日は割と飛んでいる個体をみかけました。あとはシメも。ここにきてかなりおなじみの冬鳥がドサっと増えた印象です。

冬鳥ではないですが…

アオサギ Ardea cinerea

なんかやってますね…なぜか見てはいけないものをみたような気分になる
というわけで鳥の季節になってきましたヨ!!当ブログ中の人もメインを虫から鳥へモードチェンジ。冬鳥の皆さん、今季もよろしく。

2020年11月1日日曜日

ドストライク

 ここ最近あまりフィールドに出られていなかったのですが、IROMT島に行っていた知人が「死に物狂いで森をさまよっていたらカタビロアメンボの仲間が沢のよこの水たまりにいたので採っておいた。」と持って帰って来てくれました!!!ありがとうございます。しかもその中に個人的にドストライクな種が入っておりましたのでそやつを紹介します。

タカラナガレカタビロアメンボ Pseudovelia takarai
カメラは自前のじゃなくて借りて撮影シタヨ。

ほげええええええええええええええええええええええ
かっちょえええええええええええええええええええ
大きさは2mmちょっとですか。
いやあ赤いですねぇ!!!!もうこれはどうしようもなく良い虫です。
この赤と吸い込まれるようなマットなブラック!そして脚の配色!!最高ですか!変態じみたコメント
ちょっと汚れているのが悲しいですがにしてもこれは過去最高にイカしたカタビロアメンボです!!図鑑で写真だけはみたことがあってやべえじゃんぜってえかっこいいじゃんとは思っていたんですが、案の定めちゃくちゃかっこよかったです。南西諸島の石垣島と西表島からのみ現在は記録があるようです。ナガレカタビロアメンボ属なのでやはり渓流とかの脇にあるちょっとした止水などにいるようです。ん~~これは自分でも採りたいですねぇ!!

無事LINEのアイコンになったのであった


というわけで今回は短めですが紹介ということでここまで。
個人的カタビロランキング堂々の第一位にランクイン。

参考文献
中島 淳・林 成多・石田 和男・北野 忠・吉富博之, ネイチャーガイド日本の水生昆虫, 文一総合出版, 2020年.

2020年10月26日月曜日

とまれえええ!

 そういえば採っていたのにキベリマメゲンゴロウ君を白バックで撮っていなかったことを思い出したのでまた採ってきました。キベリマメはもう何度かこのブログでも紹介していますね。流水性の黄色と黒が綺麗な種です。
この記事で紹介した適当にもほどがある撮り方でいっつもああいうのを撮ってるんですが、今回のキベリマメ、強敵でした。

超速で泳ぐキベリ

お願いです止まってください。

ぶいいいいいいいいいいん

とまれえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!
この時既に皿の中を狂ったように泳ぎ続けるキベリマメを見続けて1時間近くが経過。夜にやっていたのでこっちが眠たくなってきました。キベリマメの泳ぎ多分催眠効果あると思う。

純粋な方にはキベリマメが見えます。(嘘)

心が折れかけたので冷蔵庫でしばらく冷やしたのですがそれでも泳ぐ泳ぐ。
どう考えても白バックが映える虫なので考えました。その時前に友人が「ティッシュをしくと落ち着くよ」ということを言っていたのを思い出しました。なるほど確かに、捕まる場所がない(お皿がつるつる)ですから、ティッシュを入れて足場を作れば落ち着くかもしれません。

うおおおお止まった!!

あ、でもどうやら僕のこのやり方だと影が映りにくくなりますな…うーーん…(まあ多分これは技術次第でうまくやれるものなんでしょう)僕は割と虫体の下に影があるのが好きなのです。ほんとは影を作らないのが正解なのかもしれないですが。ん、まてよ、ティッシュって二枚組だよな。一枚にして敷いてみたらどうなるかな。

イメージとしてはここに水を注ぐ感じ

そして撮れて、明るさ等調整したベストのがこちら。

キベリマメゲンゴロウ Platambus fimbriatus

まん…ぞく…  (力尽き倒れる音)
ここまで二時間以上。でもしっかりキベリマメが美しく撮れたので…もし白バック撮影で対象が動きすぎて精神が崩壊しそうなときはティッシュが役に立つのかも…しれません。

2020年10月20日火曜日

南のヤツ

 ※本記事は割とうるさいです。

近所(徒歩圏内)に南から来たヤツがいるとの情報を頂き見に行きました。
捜索開始から約一分。そやつはアカメガシワを吸汁します。なのでアカメガシワ上をよーく見ていくと…

いたああああ!!お子様たち発見!!

その直後。


おおおおおおおおおおおお!!いっぱいいるじゃん!!
おっひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!
色がもうさ、色がすっげえなあ!!

気温低めで動きは鈍し

うおおおおおお成虫が目の前だ!!

胸部にトゲ無しタイプ

胸部にトゲありタイプ

まあ見つかること見つかること。幼虫もステージは多岐にわたっていました。

壮絶な最期を遂げた個体

と、いうわけで、

アカギカメムシ Cantao ocellatus

でございます!!
すんごい色ですよね。二度目。
オレンジに目が行きがちですが脚の緑の光沢も凄い。
オレは南方系ダァ!!!というのがヒシヒシと伝わってくるカラーリング!!そして2cmあるというデカさ!!カラーリングは決して好みではありませんがいいんです。この南感がいいんです。
もうタイトルでも示唆していますが、本種の国内での本来の生息地は南西諸島です。どうもこの種は移動能力が非常に高いようで、ちょくちょく本州でも記録があります。特に今年は各地から記録され東北でも見つかっているとか。分散しても越冬はなかなかできないでしょうから、大抵の場所ではひと夏に数世代を回して死滅しちゃうんじゃないでしょうか。
今回僕が見に行ったところも越冬は厳しかなと思うんですが。儚い。、まあでももしかすると越冬する可能性もある(???)ので近場だし定期的に見にいってみようかと。でも越冬できる場合アカメガシワの葉っぱが落ちたらどこにいっちゃうんでしょうか。僕にはわかりません。正直どれぐらいの寒さまで耐えられるのかもわかりません。もうなにもわかりません。助けてください。

ちなみに腹面の色もすごいです。

ほげええええええええええええ

背面を別アングルから。

顔がかわいい。

いやーこれは関東で見られるカメムシの色ではないですねえ。
南西諸島でちらっと見かけた記憶はあるのですがここまでしっかりじっくり観察したのは初めてでした。今年の夏は南の島には行けなかったので地元で南国気分を味わえたのはお得感があって助かりました。まだなんとか間に合うのでアカメガシワを見つけたら実や葉っぱの上を要チェック!!

2020年10月15日木曜日

シジミ

 え、ついに貝類ですかというようなタイトルですが、水昆です。いやほんとは貝のことも書けるようにはなりたいですが。
昨日通学帰り思い立ったので夕方割と大きい川に寄ってきました。ほんとに思い付きだったので長靴も網もなく容器だけ持っているという状況でしたが川の横にできた浅い水たまりみたいなところ(下画像)の石をめくって遊んでいました。まあこういうところにも割といるやつはいるのです。


一番多く見られたのが、

コモンシジミガムシ Laccobius osccillans

はい、超かわいい。2.5mmちょっと。

画像ではコモンと言い切っちゃってますが、ほんとはオス交尾器を見ないと確実ではないんです。もう一種今日は紹介しますが今回はどちらとも交尾器見られていないのであくまで十中八九そうだろうという体で宜しくお願いします。
日本産のシジミガムシ属中、本州で河川において採れる種は上のコモンと次紹介するヒメだと思うんですが、コモンは河川で採れる種では最も普通かと思われます。(南西諸島には流水環境から得られる本属として、アマミシジミガムシ、オキナワシジミガムシ、ヨナグニシジミガムシがいるようです。)
本属は湿った岩盤に生息する種や止水にいるようなのですが、個人的にあまり知見がなくてですね…詳しくはお話できる知識を持ち合わせていないのです。
まあでもひとまず本州で河川からシジミガムシの仲間が採れたとなるとまず真っ先にコモンを疑ってかかって良いのではないでしょうか。

そしてヒメシジミガムシはこちら。

ヒメシジミガムシ Laccobius fragilis

前に一度ヒメシジミ?と前に紹介した気がしなくもないですが、本来なら今回もヒメシジミ?とするべきでしょう。ただ前述の通り本州の河川から採れるとなるとまあまずコモンかヒメなわけです。今回は運よくこの個体がその場にいた友人の手により確保されました。
一緒に並べれば違いが分かりやすいんじゃないでしょうか。

比較その①
左コモン右ヒメ

比較その②
左ヒメ右コモン

明らかにヒメのほうが上翅の色が薄いですね!!どっちか一方だと困るかもしれませんがどっちも同所的に採れれば外見からでもどうにかなるのかなと。サイズ差はあまりあてにならないと思います。勿論、確実なのは雄交尾器みることですが、目安というかメスだけしか採れなかったとしても「まあそうだろ。」まではいける気がします。

オマケ

尊い。

可愛すぎですか!!!!!ああああああああああ!!
シジミガムシ、しみじみ良いと思います。

というわけで結論からいうと、見た目でもこの二種ならどうにかなる気がするけど、素直にオス交尾器を抜こう!!!
いずれこっちにもまた交尾器の画像は追記としてのっけると思います。
これで交尾器抜いて種類が違っていたら全力で謝罪します。


本記事の参考文献
中島 淳・林 成多・石田 和男・北野 忠・吉富博之, ネイチャーガイド日本の水生昆虫, 文一総合出版, 2020年.