去年のおはなし。
家からちょっと歩いたところに小学校がありましてですね、当たり前ですがその学校にはプールがあるんですよ。プールがあるんだからやっぱり夏前までにはどうやってもプール掃除をしなきゃなりません。でも田舎のプールには生き物が無茶苦茶いるもんです。(特にヤゴ)そして僕はその小学校の卒業生であるというツテを使ってプールのヤゴ採りをここ数年任されていました。
つまりこういうことです。
僕
ヤゴを採って小学生にあげる ↓ ↑ 採集の場を提供
学校側
まさにWin-Win
そんなわけで去年も意気揚々とヤゴを採って小学生に分けてあげよう!と思ってたわけですね。
しかしプールに到着し、網をいれるとすぐ事件が発生します。
ガサガサガサガサ…
「マルガタ採れたああああああああ!」
マルガタゲンゴロウ(Graphoderus adamsii) 見てくださいよこの渋いカッコよさを! |
発狂です。校庭では生徒が運動会の練習をしています。全視線がこちらに注がれます。
先生方の目が痛いです。でも止まらない手の震え。僕みたいなへっぽこゲンゴラーにはマルガタゲンゴロウが網に入っている事実が感動なのです。しかもプールで。まさかのプールで。
正直ヤゴどころじゃないです。
ごめんね小学生。ばいばいヤゴ。
(この後先生方のご協力により、無事に大量にヤゴは確保しました)
もうマルガタしか頭にない僕は帰宅後図鑑を開きます。マルガタってこんなところで採れるもんなの?という疑問です。神図鑑である『図説日本のゲンゴロウ』(森正人、北山昭 2002年)のマルガタに関する記述を参考にして簡単にまとめると、
いやいやおかしいでしょ(笑)
- 田んぼ、池などに生息
- 各地で減少し、近年は環境の良好な場所に生息
マルガタが採れたプール |
しかもマルガタって個人的にはゲンゴロウ(ナミゲン)とかタガメとかとおなじような採集難易度だと思ってたんですが。
これが冒頭に言った採集の面白さの一つじゃないでしょうか。勿論図鑑は間違っていません。普通は環境の良好なところで採れる種類なんです。ですが相手は生物。絶対に「例外」があります。その「例外」に悩まされることもあるわけですが「例外」によってこんな面白い出会いもあるわけですね。そして今回の場合はプールに飛んできていたところに運よく遭遇ということだったようですが、地元近隣にはマルガタがいるということの発見でもあった訳です。これは保全にもつながる成果な訳です。
これだから採集って面白い。今日はこんなお話でした。
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